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東芝、異例人事がなぜ波紋?西田会長退任で再燃する経営陣の対立と、西田院政の確立

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 だが、08年のリーマン・ショック後、東芝半導体事業で巨額の赤字を出したため、09年3月期決算で3435億円の赤字に転落。西田氏は社長から会長に退いた。後任の社長に就いたのが、もう一枚の看板である原子力事業を率いてきた佐々木氏だった。

 両者の確執は、この時の社長交代にさかのぼる。西田氏が社長を退いたのは事実上の引責辞任だが、ポスト西田の有力候補であった室町氏は社長レースに敗れ、東芝本社を去らざるを得なくなった。その後、11年3月11日の東日本大震災による東京電力福島第一原子力発電所の事故が、佐々木氏の権力基盤を突き崩した。原発一筋の佐々木氏に対して、西田氏は批判発言を繰り返し、原発事故後、西田氏が完全に東芝の経営の主導権を奪還した。

 佐々木氏のライバルだった室町氏が取締役に復帰する人事は、社内では「14年の株主総会後に会長になる布石」と受け止められ、佐々木氏は「会長になれないだけではなく、副会長の椅子からも追われることになる」と取り沙汰された。

 しかし、佐々木氏は、政府の経済財政諮問会議の民間議員として法人税引き下げの議論で存在感を増し、経団連副会長の任期をあと3年残すため、西田氏は佐々木氏を切るわけにはいかず、佐々木氏を副会長に留任させた。今回、西田氏の人脈に連なる「室町会長-田中社長体制」が現実のものになり、「西田院政のシナリオは完成した」との見方が東芝周辺では広がっている。
(文=編集部)

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