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鈴木領一(すずりょう)のビジネスの超ヒント!第1回

縮小する結婚式市場、日本一に急成長した情報サイトの秘密 理念共有優先の超アナログ経営

文=鈴木領一/ビジネス・コーチ、ビジネス・プロデューサー

●一体感と団結力を有する企業

 ウエディングパークには30名を超える営業組織がある。全国8拠点をベースに営業社員は全国どこにでも足を運ぶ。「式場があるならイカダに乗っても行く」という気概を持って、全国4000カ所ある式場に隈なく地道に足を運んでいるという。

 ITに明るくない方々への勉強会も地道に実施し、「ウエディングパーク」の利便性やメリットを伝える努力を愚直に続けている。

 筆者がウエディングパークを取材する前には、クチコミシステム等の最新IT技術が成功の秘密だと思い込んでいた。しかし、ウエディングパークの成長を支えているのは強力な人間力であり、地道な日々の営業活動の結果だったのだ。

 営業は全国どこにでもたった一人で行くという。この原動力の根底には、会社の理念とビジョンの共有があるのはいうまでもない。

 一般的に営業職が最も離職率が高く、会社の考えに共感できなければ辞めてしまうことが多い。しかし、ウエディングパークは営業職だけでなく会社全体の離職率が極めて低いという。

 IT企業は離職率が高いという世間一般の思い込みも見事に覆している。

 今年に入り、もう少しで式場契約数日本一になるという時、会社には「くす玉」が登場した。日本一になって「くす玉」を割ろう、という思いが社員全員をおおっていた。

 全国に展開した営業から、Facebookや日報を通じて結果が報告される。その結果を受けて、システム部門やメディア部門の社員も「がんばって!」「もう少し!」と応援メッセージを送り続けた。

 そして3月になった頃、日本一まで目前となり、会社の一体感はさらに強まった。誰もが毎日の営業報告に歓喜し、その高揚感が最高潮に達した瞬間、くす玉が割られた。

「ウエディングパーク」が日本一を達成した瞬間である。そして社員全員が成功体験を共有した瞬間である。

「この6月16日に10週年を迎えます。創業から数年間はクチコミサービスをご理解いただくのに苦労しました。決して順風満帆ではありませんでした。式場様からクレームをいただくこともありました。しかし、10年間粘り強くご提案させていただき、真摯に営業活動を続けさせていただいた結果、“信頼”を蓄積させていただき、多くの式場様にご契約いただけるようになりました。

 ようやく日本一のウエディングメディアになりましたが、私どもはこれで足を止めるわけにはいきません。圧倒的な日本一になることを次の目標に設定しました。社員が幸せになる会社を追求しつつ、より幸せな結婚情報を提供できる圧倒的一番の会社を目指していきます」

 日紫喜社長が目指す理想は、どこまでも高いところにある。その思いが、どこよりも一体感と団結力を有する「ビジョナリー・カンパニー」を育てているのだろう。

 これからもウエディングパークの成長に注目していきたい。
(文=鈴木領一/ビジネス・コーチ、ビジネス・プロデューサー)

鈴木領一/コンサルタント

鈴木領一/コンサルタント

 思考力研究所所長。行政機関や上場企業の事業アドバイスをはじめ目標達成のためのコーチングも行っている。プレジデント誌などビジネスメディアへの記事寄稿多数。また100の結果を引き寄せる1%アクション(サイゾー刊)は、氏のコーチングメソッドを初公開した書籍で、主婦から経営者まで幅広い層に支持されロングセラーとなっている。また、出版プロデュースの活動も行い、代表作には小保方晴子氏の『あの日』(講談社刊)がある。

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