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上手な親のスネのかじり方 今すぐ利用すべき住宅&教育資金贈与の非課税制度

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「Thinkstock」より
「いい年をして親のスネをかじるな」とは、昔からよく言われている言葉だ。実際、30~40代にもなって親におカネのおねだりなど、するものではない、と思っている人も多いだろう。しかし、上がらない給料、忍び寄る年金不安など、われわれには先々の不安が多すぎる。

 さらに、実は政府も「親のスネをかじれ」と推奨しているのをご存じだろうか?

 一般的に、たとえ親からであっても現金をもらった場合、年間110万円の基礎控除を超えた額については贈与税がかかる。この税率は相続税よりかなり高めで、しかも来年1月から相続税改正と時を同じくして、さらに税率が上げられる。

 そんななか、現在、贈与について2つの非課税枠が設けられている。これが「住宅資金贈与」と「教育資金贈与」だ。

 住宅資金贈与は以前から期間限定で制度が設けられたり、廃止されたりしているが、現行の「住宅資金贈与」制度は、今年が適用期間最後の年だ。一般住宅の場合、非課税枠は一昨年が1000万円、昨年が700万円、今年は500万円と減っているが、住宅購入で500万円の現金を追加で用意できるかできないかは、借り入れる住宅ローンの金額にも大きく影響する。

 もし、住宅購入を検討しているなら、この非課税枠はぜひ利用すべきだろう。

●孫の教育資金を信託

 一方、教育資金贈与の非課税枠は1500万円だ。主に祖父母から孫へ、金融機関を経由して贈与資金を信託することが条件となっている。「ウチの子はまだ0歳だから、教育資金は早い」などと悠長なことは言っていられない。なぜなら、この制度は来年いっぱいで消滅する予定だからだ。一度贈与を受ければ、子どもが30歳になるまで利用可能。ただし、信託した資金は教育以外の目的には使用できない。今のうちに贈与を受けても問題がないどころか、せっかくのチャンスを放っておく手はないといえる。

 この教育資金贈与の非課税制度は、あまり知られていないが、10万円から金融機関に信託が可能。管理手数料などの手数料もかからないので、300万円でも500万円でも可能な範囲で、かわいい孫のために贈与してもらうといいだろう。

 実際に教育資金が必要になった時には、金融機関に領収書を提出することで、お金を引き出せることになっている。しかし、先に資金を引き出したいということであれば、三菱UFJ信託銀行の「まごよろこぶ」など、事前に引き出して後から領収書を提出すればよいとするサービスもあるので、口座を開く前によく調べるといいだろう。

 教育資金の使途としては、学校への支払いに関しては1500万円の非課税枠が認められているほか、1500万円のうち500万円までなら、学習塾やスポーツ教室、文化芸術教室等にも利用できることになっている。下宿代は対象とならないが、学校の寮など学校経由で支払うものは対象に含まれる。留学の渡航費は対象外だが、やはり学校のカリキュラムの一環で留学し、費用を学校に支払う場合は対象となる。

 中学生、高校生、大学生と学年が上がるにつれ、かかる金額も上がっていく子どもの教育費、ぜひ親のスネを今のうちにかじっておこう。
(文=酒井富士子/経済ジャーナリスト)