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ディズニーランド、疲弊する現場にキャストらが会社と争い 突然解雇や偽装請負疑惑も

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●偽装請負の疑い

 オリエンタルランド・ユニオンの話によれば、オリエンタルランドはパレードやショー運営に関しては、複数の中間業者と業務請負契約を結び、その中間業者がアルバイト情報誌などで人材を募集し、オリエンタルランド側はその人材の中から選別し、パフォーマーとして教育してきた。

「請負といいながら、オリエンタルランドが時間管理や技術指導を行っている。オリエンタルランドが用意した台本、振り付け通りにやらなければ注意されます。ショーの出演者に裁量権はなく、アドリブは原則禁止だった」(ユニオン)ために、オリエンタルランドにおける就業実態は事実上の派遣形態をとっており、「偽装請負」として職業安定法44条に抵触している可能性も高まっているのだ(ユニオン側は4月末に東京労働局に申告している)。

 オリエンタルランド側は、請負業者と請負契約を結んでいる「注文主」の立場にすぎず、雇用契約も指揮命令関係もなければ、労務管理にも関与していないので「使用者」ではないという理由でユニオン側の団体交渉を拒否している。

「オリエンタルランドは、これまでも見てみぬふりを続けてきました。最小限の人数で回すことを余儀なくされた現場はブラック企業化し、疲弊しています。疲弊しているうえにパフォーマーはケガをしても自己責任で、『ケガをして動けないのなら仕事を辞めろ』『妊娠したら仕事を辞めろ』などと中間会社からいわれ、泣き寝入りして辞めていく人が多い。オリエンタルランドに直接、相談をしようものなら、契約先の中間会社の社長から『俺の顔をつぶす気か』と恫喝する電話がかかってきた人もいます。最近は景気がよくなったために、アルバイト応募者も減ってきており、ますます現場は苦しくなっている」(ユニオン)

 ユニオン側は、TDR全体の労働環境の改善も要望している。

「多くの準社員も条件は悪い。その契約書には、労働日、労働時間が明記されておらず、労働日の2週間前にシフトが通知される『フリーシフト』状態になっています。これはオリエンタルランド側にとって都合のいい契約で、客の混雑具合や人件費予算を勘案して、人員を手配・配置できるのです。当然ながら、これでは、働く側にとってはたまりません。直接雇用されている準社員からもコスト削減最優先のために『契約時に約束した労働時間と実際の労働時間が違いすぎる。そのため、生活設計ができない』『シフトは6時間なのに、2時間で帰された。オープン準備したが、「客がいないので帰って」と言われた』などの相談が寄せられています」(ユニオン)

●コストカットが進むオリエンタルランド

 オリエンタルランドはコストカット重視で、ここ数年は、エンターテインメント関係を中心に製作費が大きく削られている。

 オリエンタルランドの財務諸表を見ても唯一大きく削減されているのは売上原価、なかでも、「エンターテインメント・ショー製作費」なのだ。同製作費が最も多かったのが09年3月期で、154億円。ところが、最新の14年3月期では55億円と、ほぼ3分の1にまで削減されているのだ。米本社に支払うロイヤリティーが221億円から271億円と2割増であるのと比べても、大幅に減っていることがわかる。こうしたコストカットが労働環境を悪化させ、ひいてはパフォーマンスに悪影響が出る。

「パレードやパフォーマンスも、かつてと比べると配置される人数が激減しています。ディズニーファンからすれば明らかに魅力が落ちており、不満の声も出てきているほどです。オリエンタルランドにとっては、話題の新しい映像ショー(キャッスルプロジェクション)はパレードなどと比べて人件費を大幅に削減できることも魅力なのでしょう」(ユニオン)

“夢の国”が労働者の犠牲の上に成り立っているとしたら、悪夢としかいいようがないだろう。
(文=松井克明/CFP)