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【動画あり】詐欺金融業者と10日間の攻防の末に完勝!笑えるやりとりを一挙公開!

取材・文=鷹司昇一郎
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業者「靖国通り沿いに消費者金融レイクがあるでしょ? 10万円借りてみてください。実績つくったら、金融庁から貸し出しOK出ますから」

 金融庁から許可? 笑うしかない。当然、実際には借金などせず、「うまく借りられた」と嘘の報告を入れると、「金融庁に確認できました。では、その10万円を保険として、先に当社にお振り込みを! オタクが返せなくなった時の保証金だから」と言う。

 これでハッキリした。この業者は、いわゆる「融資保証金詐欺」【編註:貸し出しに先立ち、担保となる「保証金」を振り込ませる詐欺】だ。さて、正体が判明したところで、イマイの真似開始である。

●矛盾点を指摘すると態度が急変

 まずは、業者をイラ立たせることからスタート。仕事が忙しくてATMに行く時間がない、などと言い訳し続け、振り込まないこと1週間。その後「振り込む前に、色々疑問がある」と告げ、広告内の矛盾点を突く。

私「“5年連続お客様支持率No.1”らしいけど、貴社の許可番号は(1)でしょ? 登録して3年たっていないのに、5年ておかしくないですか?」

 途端に業者の態度と口調が激変する。

業者「はぁ? なんのマネだ、お前」

 いきなりヤクザ口調。正直、怖い。しかし、テレビで見た通りだ。めげない、めげない。

私「ホントに俺を審査した? じゃあ、俺の勤務先、言ってみてよ」

業者「お前の勤務先は、上がってるから。今週中に乗り込むから覚悟せえよ」

 フリーライターの私に勤務先などない。狭いボロアパートの一角が私の仕事場だ。すべてが、でまかせの脅し。一方的に切られた電話に、早速リダイヤル。

私「住所記載が途中で終わっているけど、実際に訪問したいから、キッチリ教えて」

業者「電柱に1000回お辞儀したら、教えてやるよ」

私「7大疾病って何?」

業者「『しっぺい』って、お前アホか。『しつびょう』だろ」

私「これ『しっぺい』って読むんですよ。辞書で調べてください」

業者「いたずらか、これ? 営業妨害で訴えるぞ」

私「どこに?」

業者「警察に決まってるだろ」

私「警察と接触して一番困るの、あなた方では? 『俺らの詐欺を邪魔する奴がいる』って訴えるんですか?」

 また一方的に電話を切られた。

●10日目に業者が白旗

 その後、数日にわたってリダイヤルを繰り返し、追及し続ける。「広告に写真を出しているI会長に会わせてよ」「VISAと提携していると書いてあるけど、確認したら無関係だといわれた」……我ながら嫌なヤツだ。

 すると、「電話してくんじゃねぇ」「貧乏ヒマ人としゃべってる時間がもったいねぇ」「お前が嫌いなんだよ」……甚だしいほどにテレビで見た通りの反応が返ってきた。名乗っただけで切られる回数が増えた、取材開始から10日目。ついに業者が弱腰になった。

業者「もういいよ。どうすりゃ、許してくれる?」

私「正直に教えてください。詐欺ですよね?」

業者「ああ、そうだよ。勘弁してくれよ」

私「『融資保証金詐欺』ですね?」

業者「そうそう。その通りよ。二度と電話しないでくれよ」

 電話回数、実に78回目にして、勝負あり。

 詐欺業者は一方的にまくしたてるのは大得意でも、突っ込まれると極端に弱い。だが、実際、接触して勝とうとすると、相当なスタミナを消耗する。その影響か、俺はこの取材を終えた後に風邪で3日も寝込んでしまった。

 正直、こういった詐欺、身に覚えのない架空請求、応募してもいないのに届く「当選おめでとうございます」ハガキなどには接触しないで無視を決め込むのが一番だ。「無視こそ最大の防御なり」といえる。

 面白そうだからとマネする人がいるかもしれないが、何があっても私は責任を取れません。くれぐれも計画的に。
(取材・文=鷹司昇一郎)

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