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知ってるようで知らない……薬局の歩き方・クスリの選び方 第23回

全身に症状、命に関わる危険も…虫刺され、正しい/誤った対処法と、使うべき薬とは?

文=へるどくたークラレ/サイエンスライター

●市販薬の使い方

 さて、話は多少脱線してしまいましたが、市販薬をどのようなタイミングでどのように使えばよいのでしょうか?

 虫刺されは、なによりも早期対策が重要です。

 5歳以下の小さな子どもや、目の横などの際立って敏感な場所以外は、抗生剤入りステロイド軟膏を少量つけて炎症を抑え込むことが、最も簡便で有効な方法です。

 かゆみ止め成分しか入っていないような薬(大半が第3類)は、広範囲にかゆみがある場合には使えるので、携帯向きではありませんが、家に常備しておくとよいでしょう。

 虫に刺された時に手元に薬がない場合、冷やすとかゆみを抑えることができますが、注意すべきことがあります。氷やミニアイスノンなどの非常に冷たいものは直接肌に当てず、布でくるむようにしましょう。また短時間の冷却は、血管を収縮させて炎症物質が移動するのを防ぐので応急処置としては効果的ですが、10分以上冷やすと反跳作用で血管が拡張したり、冷たさで組織が痛み、それがさらなる炎症物質を生み出すなど、悪影響を及ぼすこともあります。

 薬を塗っても冷やしてもかゆみが治まらず腫れが引かないようであれば、できるだけ早く皮膚科で診てもらいましょう。特に小さい子どもは悪化が早く、またかくのを我慢できないので、爪を短く切るなどの対策も重要です。

 市販薬はあくまで原因がはっきりしており、症状も軽い場合用と考えましょう。それ以上は皮膚科で、刺された虫に応じた対策をしっかりしましょう。
(文=へるどくたークラレ/サイエンスライター)

へるどくたークラレ

へるどくたークラレ

覆面の不良科学屋。添加物を駆使した食欲の失せるカラフルな料理やら、露悪的で馬鹿げた実験を紹介していく、『アリエナイ理科ノ教科書』の著者、SFやミステリーの設定やトリックの監修も務める。こっそり大学でも教養課程で科学を教えていたりする。過去の連載をまとめた『薬局で買うべき薬、買ってはいけない薬』は好評発売中。公演やテレビ出演なども多数。無料のメールマガジンも配信している。

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