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防衛大、保険金詐欺事件のもみ消し狙い、情報漏えい事件を捏造か? 自衛隊一部から批判も

編集部
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 自衛隊にとっては、三住海上は密接な関係を保持しておきたい企業だ。自衛隊OBは他省庁に比して天下り先が多くない。三住海上なら高級幹部自衛官の天下り先として申し分ない優良企業。防大保険金詐欺事件で折り合いが悪くなることは避けたいところだ。

 三住海上にとっても同様だ。全国22万人の隊員を擁する自衛隊は超優良顧客であり、そこのOBを迎え入れれば、よりパイプを太くすることになる。防大保険金詐欺事件は、長年続いた防大の悪弊とはいえ、それを上回るに十分な利益を自衛隊はもたらしてくれている。事件発覚当初、被害者でありながら事を公にしなかったのは、そうした背景が少なからず影響を与えていたのだろう。

●真相究明を求めた指導教官を冤罪事件で追放

 事件発覚後、懲戒退学させられた5学生の受け持ちだった第3大隊首席指導教官(2等陸佐)は、徹底して事態を究明するべしとの立場を取っていた。徹底して膿を出そうと主張する首席指導教官は、防大上層部にとって非常に疎ましい存在に映ったようだ。彼1人に責任をかぶせ、幕引きをしようとした。しかし「保険金詐欺事件の責任」を取らせたとなると、事件そのものが防大や防衛省・自衛隊の記録に残ってしまう。事件に関係した三住海上との関係もまた記録に残る。優良天下り先である三住海上との関係を、自衛隊としては傷つけたくはない。

 そこで防大上層部は、架空の事件をでっち上げ、首席指導教官を追放したのだと、前出・若手指導教官は明かす。

「結局、防大上層部は、学生の懲戒処分だけで保険金詐欺事件を“なかったこと”にしようとしました。さらに、首席指導教官が同事件を記事化した記者と高校の同級生であることから、情報漏えいを行ったとして退職させることを画策しますが、決定的証拠がありません。そこで首席指導教官が防衛省本省に匿名の手紙を送って情報漏えいしたとして、指導教官の職を取り上げ、自発的に転勤を希望するよう仕向けたのです」

 防大上層部は、首席指導教官が防衛省本省に送ったとする「匿名の手紙」を入手し、筆跡鑑定結果と便箋についていた指紋やDNAを証拠として自衛隊内の警備組織である警務隊に捜査依頼を行ったが、警務隊は証拠不十分、嫌疑容疑なし、と結論付けたという。

 情報漏えいの証拠とされた手紙に付着したDNAや指紋は、警務隊がこれを捜査する以前から、防大内で「上層部の意を受けた曹クラスの職員が、首席指導教官の机から持ち出したもの」との噂が広まっており、警務隊側も、防大上層部による“高度な政治的意図”を、捜査依頼当初から感じていたからだという。ある警務隊関係者は「防大上層部は保険金詐欺事件の責任転嫁目的に警務隊を利用しようとした」と憤りをあらわにしている。

 防大上層部に属する高級幹部職員によると、発覚当初こそ問題とされた保険金詐欺事件だが、防大上層部では、いつしかそのベクトルは「情報漏えい事案」へと移っていき、当初事態究明派だった幹事も、いつの間にか収束派へと変わっていったという。

 今年4月、防大はHP上で「保険金詐欺事件に関するすべての調査は終わった」と発表した。だが、この保険金詐欺事件で学校長以下、誰も責任は取っていない。そして三住海上と自衛隊の蜜月ぶりは、これからも変わらないだろう。
(文=編集部)

BusinessJournal編集部

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