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NHK、STAP問題検証番組で小保方氏捏造説を“捏造”か 崩れた論拠で構成、法令違反も

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4月9日、会見を行う小保方晴子氏(撮影=吉田尚弘)
 8月5日、理化学研究所 発生・再生科学総合研究センター副センター長の笹井芳樹氏が自殺した。

 STAP騒動で追い込まれた結果の悲劇だ。しかし、これは単なる悲劇ではない。デマと妄想で膨れ上がった“狂気のバッシング”によって“殺された”といっていい。8月12日に笹井氏の代理人が公表した遺書にも「マスコミなどからの不当なバッシング、理研やラボ(研究室)への責任から疲れ切ってしまった」と書かれていた。

 筆者はいわゆるSTAP問題(本記事では科学的な検証をSTAP問題、それをめぐる一連の世間的な騒動をSTAP騒動と分けて表現する)を取材してきたが、およそ科学とは程遠いゴシップ報道とヒステリックな科学者の反応が時を追うごとに大きくなり、理研の小保方晴子ユニットリーダーと笹井氏を包囲し、追い込んでいく様子を目の当たりにしてきた。

 小保方氏の代理人である三木秀夫弁護士が「集団リンチ」と形容したが、「集団リンチ」に加わったのはマスコミだけでなく、本来、科学の自律性を守るべき立場の科学者やサイエンス・ライター、一般人までがその輪に加わり、バッシングを執拗に続けた。理研も小保方氏と笹井氏を守るには十分な対応もせず、小保方氏はNHKの暴力的取材で怪我を負い、その直後に笹井氏は自殺を遂げた。

 笹井氏の死後も、小保方氏に宛てた遺書に何が書かれていたか、というゴシップ報道が相変わらず続いている。警察が保管してあったはずの遺書がマスコミにリークされ、日を追ってその内容が少しずつ開示されているというこの異常な状態が、STAP騒動の狂気を物語っている。

 STAP現象が完全な捏造だという確たる証拠はいまだにない。一部報道によって小保方氏による捏造と信じている人も多いが、7月27日に放送されたテレビ番組、NHKスペシャル『調査報告 STAP細胞 不正の深層』では、信じがたいミスリードが行われていた。なんと小保方氏が若山照彦山梨大学教授の研究室にあったES細胞を盗み、それを混入させた細胞を実験に使っていたかのような内容だったのだ。本番組には騒動の本質が詰まっているので、ここで番組の内容を検証してみたい。
 

●異様な番組内容

 まず指摘したいのが、この番組の最後にあるべきクレジット(制作に関わった人物名)が一切出なかった、という点だ。NHKスペシャルでは毎回クレジットが流れるのだが、この放送回だけは流れなかった。匿名によるバッシングが公共放送で行われるという、異様さがさらに際立った結果となった。

 また、番組タイトルで「不正」という文言が使用されていたが、一般社会で使用される「不正」には、自らの利益を優先した悪意ある行為、という意合いがある。しかし、サイエンスの世界での「不正」とは、作法に間違いがあった、手続きにミスがあった、という意味でも使用される。