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競馬人気、なぜ回復?コラボ企画や施設充実で、若者・女性・休眠客を獲得 JRAの戦略

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AKB48 JRA CM「SMART JRA ガチ馬開始」篇(無料動画サイト「YouTube」より)
 夏競馬の季節である。競争最高格付けであるG1は、6月末の宝塚記念を最後に、10月のスプリンターズステークスまで休止期間中だ。しかし、ビッグレースこそ少ないが、夏競馬も見所は満載だ。新潟、福島、福岡・小倉、北海道・札幌および函館と、競馬場ごとの色を感じ取ることができ、観光の一環として訪れるファンも多い。特に近年、競馬場内の飲食店の充実ぶりは目を見張るものがあり、各地のご当地グルメを気軽に楽しめるのもうれしい。

 日本中央競馬会(JRA)の馬券売上額は、1998年の3兆8000億円をピークに、2011年まで右肩下がりに下降してきた。だが、12年からは2年連続で前年比100%を超えるなど、競馬人気回復の兆しが見えている。

 来場者数は98年の1223万9465人から、13年時点で半数近くまで落ち込むなど課題もあるが、売上額の増加の原因について、小畠薫・お客様事業担当理事はスポニチアネックスの取材に対して「東京優駿(日本ダービー)や有馬記念の集中的なプロモーション、払戻金を上乗せした“最終馬連”が功を奏した」と分析している。

 JRAは、今後の展開を見据え、さまざまな企画を展開している。大きく分けて、キーワードは以下の4つといえる。(1)若年層の取り込み、(2)女性ファンの獲得、(3)休眠層への呼びかけ、(4)日本競馬を世界ブランドへ。今回は、競馬人気復活に向けたJRAの戦略を一つひとつ検証していきたい。

●若年層とオールドファン、双方に訴求

 数年前から、JRAは若者のファン獲得に注力している。そのために採用したのが、アニメやアイドルグループとのコラボレーションだ。いくつか例を紹介すると、人気アクションゲーム『戦国無双4』(コーエー)と動画「ダービー無双」を制作、また競馬を若年層に訴求するための企画「SMART! JRA」で、アイドルグループ・AKB48や、12年に公開された映画『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』とコラボキャンペーンを展開している。13年には、人気漫画『進撃の巨人』(諫山創/講談社)と協力し、「進撃のジャパンカップ」「進撃の有馬記念」と各レースに合わせたプロモーションを行った。

 若年層へのアプローチをする一方、就職や結婚などの生活の変化によって、一度競馬を離れた“休眠層”への呼びかけも特徴的だ。13年のテレビCMでは、「THE LEGEND」をうたい文句に、対象レースの過去の優勝馬に焦点を当てた手法で注目を集めた。今年は当該レースに対して、歴史を紹介するストーリー性に特化した演出を行い、オールドファンを喜ばせた。

 若者と休眠層へのPRの結果、13年12月22日開催の第58回有馬記念では対前年比105・4%となる約350億円、今年6月29日開催の第55回宝塚記念では対前年比102・3%増の約173億円の馬券売上を記録した。