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竹内まりやの音楽にはなぜ普遍性があるのか 最新作『TRAD』をじっくりと聴く

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【リアルサウンドより】

 竹内まりや本人、そしてプロデューサーの山下達郎もさまざまなメディアで示唆しているように、彼女の音楽の中心にあるのは“ミドル・オブ・ザ・ロード”という言葉だ。ミドル・オブ・ザ・ロードとは“万人受けする/穏やかな/中間派”という意味で、音楽ジャンルとしては“誰もが楽しめるポピュラーミュージック”ということになる。市井の人々の生活とそこに生まれる感情に寄り添い、聴くだけで何となくホッとしたり、気分が少しだけ明るくなる――『Denim』以来、約7年ぶりとなる竹内まりやの新作『TRAD』にも、そんな効果を持ったポップスがたっぷりと収録されている。

 「縁(えにし)の糸」「いのちの歌」、そしてサザンオールスターズの桑田佳祐、原由子がコーラスで参加した「静かな伝説」(竹内まりや、山下達郎を含めたこの4名が楽曲制作で揃うには、山下達郎の名曲「蒼茫」以来、じつに26年ぶりだという)などのシングル曲や、松たか子に提供した「リユニオン」、松田聖子に提供した「特別な恋人」のセルフカバーなどを収めた本作。収録曲の多くは、主に女性に向けられた応援歌だ。理想とする女性への憧れと“本当の強さを身につけたい”という思いを綴った「輝く女性よ!」、たそがれてゆく人生の途中に去来する想いや夫婦の長い歴史への愛着信を描いた「たそがれダイアリー」。50代後半になった彼女の楽曲は、人生の機微をしっかりと捉え、確実に深みを増している。変化していく女性の生き方を描くことで、常に時代性と大衆性を持ち続ける。それもまた、彼女のソングライティングの特徴だろう。

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