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ローソンに異変?果敢な多角化と規模拡大、減収と新業態店苦戦で従来路線転換か

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ローソンの店舗(「Wikipedia」より/Ninosan)
 大手コンビニエンスストアチェーンのローソンが事業の多角化を加速させている。

 今月6日に、シネマコンプレックス(複合映画館)国内3位のユナイテッド・シネマ(UC)を買収することを発表。投資会社・アドバンテッジパートナーズ(AP)などからUCの持ち株会社の全株式を取得。買収金額は100億円強といわれる。UCは全国36カ所、331スクリーンの映画館を展開し、イオンエンターテイメント、東宝グループに次ぐ規模であり、2015年1月期の売り上げは200億円を見込む。

 ローソンは10年に音楽映像ソフト販売のHMVジャパンを買収し、現在ではローソンHMVエンタテイメントとして各種チケット販売などエンタメ事業を展開している。映画館事業はローソンHMVの子会社が手掛け、HMVは映画チケット販売だけでなくシネコン施設を活用したイベントなども行う。ローソンのエンタメ事業の売上高は14年2月期で2600億円、営業利益は100億円。UC買収などで19年2月期には売上高3500億円、営業利益150億円を目指す。

 ローソンは介護事業にも進出する。首都圏で介護事業を手がけるウイズネットと提携し、ウイズネットがローソンの加盟店となりコンビニを運営する。1号店は15年2月に埼玉県川口市に開く予定で、ケアマネージャーが常駐して高齢者を支援する。ローソンは加盟店となる介護事業者をウイズネット以外へも広げ、介護コンビニを首都圏、大阪や名古屋など大都市部を中心に3年で30店を出す計画だ。

●利益優先から規模拡大に転換か


 ローソンの14年3~5月期の連結売上高は前年同期比2.0%減の1171億円。営業利益は17.6%増の168億円で3~5月期として過去最高益を更新した。レギュラーコーヒーや揚げ物などの総菜が好調だったためだが、懸念材料としては減収になったことが挙げられる。加盟店の売上高は2.7%増えたが、直営店が14%減ったことが響いた。かなりのペースで直営店をスクラップ・ランド・ビルドしているためだ。

 既存店の売上高は前年割れが続き、国内のローソン(1万263店:7月末時点)とナチュラルローソン(109店:同)の既存店売上高は消費増税の影響を受け7月は2.3%減。生鮮食品を扱うローソンストア100(1181店:同)は消費増税前からマイナスが続き7月は5.4%減だ。ローソンストア100と小型スーパーのローソン・マートを運営する連結子会社、ローソン・マートの3~5月期のチェーン全店売上高は194億円で、営業利益は6億3700万円の赤字。野菜など生鮮食品を扱うローソンストア100はコンビニの新業態と評判になったが、苦戦が続く。そこで、小型スーパーに軸足を移した。

 ローソンは15年2月期には国内で過去最多の1000店以上を出す方針。これまでは1店あたりの売り上げを増やす利益優先の経営を進めてきたが、ライバルの出店攻勢に対抗するため、規模の拡大に力を入れる。玉塚元一社長はメディアのインタビューで他チェーンの買収について、「話があれば積極的に検討する」と意欲を見せている。経営不振が続くコンビニチェーン4位のサークルKサンクスをめぐり、セブン-イレブン、ローソン、ファミリーマートの上位3社による争奪戦が始まるとの見方が強い中、ローソンが先手を打って獲得に動く可能性もある。