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森トラスト、目黒雅叙園買収の舞台裏 時代と創業家に翻弄された歴史が残した訴訟リスク

文=編集部
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 リーマン・ショック前の2007年は、都心の不動産ミニバブルに沸いた年であった。ローンスターは旧雅叙園観光の跡地にオフィス棟を新たに建設し、合わせて1800億円の高値で売却する計画を立てた。だが、リーマン・ショックで不動産価格は暴落、もくろみは狂った。11年4月にオフィス棟のアルコタワーアネックス、チャペルのヴィラ ディ グラツィア、店舗のアルコスクエアを新築。11年に目黒雅叙園の売却を試みたが、当時は買い手が見つからなかった。

 しかし、アベノミクスによって東京の不動産市況が回復に向かった昨年末、ローンスターは目黒雅叙園の入札を再開。多くは1000億円程度で応札したが1340億円の価格を提示したシンガポール政府投資公社(GIC)が優先交渉権を得た。

 ところが、GICは交渉から撤退した。土地に関する裁判を嫌ったためとされる。土地の一部を保有する地主であるファミリーカンパニー・細川ホールディングスとの間で、借地権をめぐり裁判沙汰になっていたからだ。GICが撤退したため、森トラストに優先交渉権が移った。森トラストの目黒雅叙園買収に関する土地・建物取得の発表資料には3万7000平方メートルの土地面積について「一部借地、飛地含む」と記載されているだけだ。借地権問題は、森トラストにとって喉に刺さった骨になりそうだ。
(文=編集部)

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