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最新研究が示した「子どもの将来の成功を左右するもの」は知能より●●!?

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※画像:『成功する子失敗する子――何が「その後の人生」を決めるのか』著:ポール・タフ

 子どもを持つ親なら、だれしもわが子には幸せになってほしいと願うことでしょう。社会的な成功を手にして、幸福であると同時に有意義で充実した人生を送ってほしい、と。

 「いい大学」に入って、「いい会社」に入れば一生安泰という考え方はもはや主流ではないとは思いますが、「高い知能が成功に結びつく」という考え方(知能至上主義)はまだまだ根強い支持を得ているように思います。実際、「幼児の早期教育に興味がある親は約7割」「幼児期から勉強・習い事をさせたい親は85%」という調査結果もあります(*1)。

 しかし、偏差値の高い有名大学に入っても、就職活動で苦労する学生がいます。また、これまでに大きな失敗なく優等生な人生を歩んできたのに、社会に出てから思うような成果があげられず苦労する若者もいます。成功に必要な力とは一体何なのでしょうか。また、それは子ども時代にどのように獲得でき、伸びるのでしょうか。

 子どもの貧困と教育改革を専門とするジャーナリストのポール・タフ著『成功する子失敗する子――何が「その後の人生」を決めるのか』では、これらの疑問に対する答えを、神経科学、経済学、心理学といった切り口から探っていきます。

*1「幼児の遊びと学びプロジェクト」の「幼児期の子どもを持つ親の子育てに関する意識・実態調査」(2013年12月7日~8日調査)より。(2014年9月12日閲覧)

■成功のために必要な「気質」は習得できる


 ここ数年の間に、神経科学者や経済学者、心理学者そして教育者たちが、知能至上主義の背後にある思いこみに疑問を投げかけはじめました。その思いこみとは、幼少期にできるだけ多くの情報をつめこみ、読み書きや算数などの能力を伸ばすという考え方です。

 しかし、科学者たちの結論はまったく別のものでした。

 本当に重要なのは、成功のために必要な「気質」を伸ばすこと。それは、「自制心」「好奇心」「やり抜く力」などといったものだというのです。

 たとえば、子どものころの「自制心」が弱いほど、その後の32歳になったときに健康や職業の面でさまざまな問題を抱えていることがわかりました。また、IQ(知能指数)の高低に関係なく、「やり抜く力」があるほど大学を優秀な成績で卒業する可能性が高いことがわかったそうです。

 さらに注目すべきは、こういった気質は生来のものではなく、成長してからも習得でき、人に教えることができるスキルなのだというのです。

■親という「安全基地」が子どもの「気質」を育む


 上に挙げた気質の一つ「自制心」の発達にかかわってくるのが脳の前頭前皮質です。自分の感情や行動のコントロール重要な役割を果たし、幼少期のストレスから最も多く影響を受ける部位でもあります。