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小林麻耶、キャッピキャピ声垂れ流しの無神経の権化、今後の“意外な”生き残り策は?

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小林麻耶「セントフォース 公式プロフィール」より
 

主要なテレビ番組はほぼすべて視聴し、「週刊新潮」などに連載を持つライター・イラストレーターの吉田潮氏が、忙しいビジネスパーソンのために、観るべきテレビ番組やテレビの“楽しみ方”をお伝えします。

 声でちょっぴり損をする人は多い。見た目はそこそこかっこいいが、妙に声がカン高いと少々残念感が出てしまったり。哀川翔とかさ。美人女優でも耳になじみにくい、調律していない弦楽器的ボイスだと、視聴者は引いてしまう。賀来千香子とか水川あさみとかさ。同様の声でも、ジャパネットたかたの社長は、どちらかといえば得しているほうだが。

 で、男女ともに好感度が低いのは、キャピキャピしたアニメ声。どうしても「狙ってるんでしょ」的な腹黒さを感じてしまうようで、たとえ知性のある女性でもアニメ声は敵視されがちだ。そう、今回のお題はフリーアナウンサーの小林麻耶である。

 テレビ番組『バイキング』(フジテレビ系)の「花嫁修業」なる企画で、キャッピキャピ声を垂れ流し、ダメさ加減を余すところなくお披露目し、世の中の小姑の眉間にシワを深く刻み込ませたのが小林。まあ、ある意味、長寿番組『噂の!東京マガジン』(TBS系)の伝説の人気コーナー『平成の常識 やって!TRY』みたいなもんである。料理が到底できなさそうな素人のお嬢さんたちに、街角で料理名だけ伝えてつくらせる。材料選びからすでにハプニングというか、トラブルというか。でもこういうの、みんな好きなはず。他人の無知や失敗をほくそ笑んで楽しむ、という悪趣味だが、私も結構好き。もともと育ちのいい小林ならではの無神経さは、嫌いじゃないんだけどな。賛否両論というよりは、否のほうが多そうである。

 そんな小林を思いもかけないところで見つけた。『クラシック音楽館』(NHK Eテレ/9月21日放送)である。え? 「音」と「音楽」を心から大切にする人々が視聴する、よりによってクラシック音楽のコンサートで、司会が小林? なんのたくらみがあって? 小林をさらに貶めるためなのか?

 普段は渡邊佐和子アナウンサーがお届けする、しっとりと落ち着いた音楽番組なのだが、「N響ほっとコンサート」なる夏のイベントは、クラシックに馴染みのない人や子供向けに行われているらしい。今回は映像とコラボのほか、サンドアートの飯面雅子さんを呼んで、「音楽とサンドアートと朗読」が行われた。その朗読と司会を務めたのが小林なのである。

 まったく知らなかったのだが、実はこのコンサート、ときどき芸能人やタレントを起用しているらしい。2011年は本仮屋ユイカ。しかし、思いきったね、NHK交響楽団。よりによって小林を起用するとは。

 でもね、意外と小林、悪くなかった。子供のためのお話「ピーターとおおかみ」は、登場する動物や人物を楽器になぞらえて、音楽とサンドアートで見せていく。サンドアートの刹那的芸術にしばし見入ってしまったのだが、小林の朗読の声も案外マッチしていた。キャッピキャピ&カン高いアニメ声も、子供向けなら悪くない。そして、小林は確固たる台本があったほうがいい。自分の意見や性質を封じ、「滅私」の姿勢で挑めば好感度UPするのではなかろうか。もう少し抑揚と呼吸などの技術を身につければ、声優としての道も開けるかも。可愛い顔して天然ボケする三十路タレントは、寿命も短い。溺愛してくれていた大御所タレントも、そろそろ賞味期限がきているし。思いきって顔出しNG、声で勝負、に振り切ってみたらどうだろうか。余計なお世話か。
(文=吉田潮/ライター・イラストレーター)

●吉田潮(よしだ・うしお):
ライター・イラストレーター。法政大学卒業後、編集プロダクション勤務を経て、2001年よりフリーランスに。「週刊新潮」(新潮社)で「TVふうーん録」を連載中。主な著書に『2人で愉しむ新・大人の悦楽』(ナガオカ文庫)、『気持ちいいこと。』(宝島社)、『幸せな離婚』(生活文化出版)など。「週刊新潮」(新潮社)の連載記事をまとめた単行本『TV大人の視聴』(講談社)が11月11日に発売予定。