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Googleやアップルの社員はどう育てられた? 子どもや部下を「イノベーター」にする教育

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Googleやアップルの社員はどう育てられた? 子どもや部下を「イノベーター」にする教育の画像1※画像:、『未来のイノベーターはどう育つのか』(トニー・ワグナー/著、藤原朝子/訳、英治出版/刊)

 昨今「イノベーション」という言葉を見聞きしない日はないほど、その必要性は多方面で叫ばれています。常識にとらわれずビジネスや社会を革新していける創造的な人材、「イノベーター」は極めて重要。その資質を持つ人がますます求められ、活躍する時代になるのでしょう。

 では、どうすればイノベーターは生まれるのでしょう? その疑問に答えるのが、『未来のイノベーターはどう育つのか』(トニー・ワグナー/著、藤原朝子/訳、英治出版/刊)です。これは、自分自身がイノベーターになることをめざす人だけでなく、それ以上に、イノベーターを「育てたい人」、つまり子育て中の方や、仕事で人材育成に携わる方、教育関係者の方にとって、示唆に富む一冊です。

 この本では、イノベーターを生み出すための子育て、教育法、指導法を、実際に活躍している若きイノベーターたちの事例から探っています。

イノベーターをつくる子育て術

 著者のトニー・ワグナーは150人以上に取材していますが、おもしろいのは、イノベーター本人だけでなく、その親にも話を聞いている点です。若くしてiPhoneのプロジェクトマネジャーに抜擢されたカーク・フェルプスをはじめ、さまざまなイノベーターの事例が紹介されていますが、その子育ての方針には共通点がありました。

 たとえば、「遊び」に関して。子どものスケジュールをいっぱいにせず、自由な遊びの時間をたっぷり与えたそうです。テレビを観たり、コンピュータを使ったりする時間は制限し、本や絵本の読み聞かせをする。玩具は多くは与えず、あるもので創意工夫して遊ぶことを促すのも特徴的です。そして「遊び」は、イノベーションを生み出す上で極めて重要な要素なのだそうです。

 また、子どもが自分で情熱を注げることを見つけ、追いかけるのを心から応援すること。これは多くの人が同意するポイントだと思いますが、実際にそうするのは簡単ではないようです。周りの多くの子供とは大きく「ズレて」しまうかもしれないのですから。本書には、そんな「異質」なわが子を応援し続ける親の葛藤も記されています。

 イノベーターを育てるためには、たとえそれが世間一般の家庭と違っても、親としての直感、判断、価値観を信じること、そして子供を信じることが大切なのだと著者は示唆しています。

イノベーターを育む教師

 イノベーターの多くはメンターや教師から大きな影響を受けています。メンターや教師たちに共通していたのは、子供に敬意を払い、信頼関係を築いたこと。実践的で分野横断的なグループベースの学習環境を提供したこと。また、子供をエンパワメントし、知的冒険と試行錯誤を奨励したことが挙げられています。MITメディアラボなど優れた教育機関のエピソードも豊富で、これからの教育を考えるヒントが満載です。

イノベーターを活かす経営

 型破りな考えをするイノベーターを、なかなか受け入れられない組織は少なくありません。出る杭を打ってしまう組織も多そうです。本書はグーグルアップルなど革新的な企業のカルチャーや人材への考え方にも踏み込んで、イノベーターを育て、活かす組織づくりのヒントを示しています。

 優れたイノベーターになり得る子どもの可能性を伸ばすのも大人なら、つぶすのも大人です。自分が好奇心にあふれた子供だったことを忘れてしまったすべての大人たちに、この本は忘れていた何かを思い出させてくれるでしょう。イノベーターの親やメンターとしてのあなたの可能性を、あるいはあなた自身のイノベーターとしての可能性を、目覚めさせる一冊になるかもしれません。
(新刊JP編集部)

※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。

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