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リクルート、上場で「国内モーレツ営業企業」から「グローバルIT企業」への脱皮なるか

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リクルートホールディングス本社が所在するグラントウキョウサウスタワー(「Wikipedia」より/Kure)
 リクルートホールディングスは6日、今月16日に予定されている東京証券取引所1部への新規株式上場において、売り出し価格を1株3100円にすると発表した。時価総額は1兆7794億円に上り、現時点では今年最大の上場案件となる。同社は上場で調達する約1000億円を原資に、海外でのM&AやIT系人材採用を加速するという。だが、上場の目的はそれだけではない。同社には「どうしても上場しなければならない事情」(人材業界関係者)があった。

 リクルートは9月10日付で関東財務局に提出した「有価証券届出書」(新規公開時)の中で、「事業等のリスク」として第5項に「サービス提供媒体の変化に伴うリスク」を次のように記載しており、インターネット時代における同社の危機意識が感じられる。

「当社が事業を展開する市場の多くにおいて、フリーペーパーや雑誌等を中心とした従来の紙媒体のサービスから、インターネットを媒体としたオンラインサービスへの移行が進んでおります」

「今後国内外においてSNS等を利用したオンラインコミュニケーションが活発化し、クライアントとユーザーを直接マッチングすることが可能となる等、特に人材関連事業において競争がさらに激しくなる可能性があり、場合によっては当社の業績に悪影響を与える可能性があります」

 リクルートの峰岸真澄社長はかつて「週刊東洋経済」(東洋経済新報社/2012年8月25日号)のインタビューの中で「リクルートの使命はどれだけ人を集めるかではなく、消費者と企業を結び付ける『マッチングプレーヤー』としての役割を担うことだ。よい就職ができた、よい人材を獲得できたと、双方に満足してもらえるサービスをいかに提供していくかに重点を置いている」と答えている。

 そもそも、リクルート成長のビジネスモデルは消費者と企業のマッチングだった。紙媒体時代におけるリクルートの各種情報誌には、消費者にとって料金を比較したり自分の欲しい情報をピンポイントで検索できる利便性があった。この利便性による販促効果を知悉していたからこそ、企業もこぞって記事広告を出稿した。だが、同社が強みとしてきたこの利便性もネット時代になると希薄化していった。ネット上には比較サイトなどライバルが次々と出現、「リクルート情報誌」の利便性を凌駕していったからだ。それと比例して、同社のビジネスモデルは陳腐化を深めていった。

 峰岸社長はそうした危機意識を踏まえてか、上記インタビューの中で「リクルートの強みは何か」を改めて自問自答し、考え尽くした数年間だったと語り、その結果たどり着いた結論が「分社化、株式公開、グローバル展開の3点だった」と答えている。