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4人に1人がかかる認知症、新たな予防法発見?長寿遺伝子「サーチュイン」とは?

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「長寿遺伝子」が認知症を予防するかもしれない wavebreakmedia / PIXTA(ピクスタ)
 高齢化が進むとともに増えている認知症患者。厚生労働省の調査によると、平成24年の時点で推計462万人、認知症になる可能性がある軽度認知障害の65歳以上の高齢者も約400万人いると推計され、高齢者では4人に1人が認知症の予備軍だという。今や誰にとっても他人事ではない問題なのだ。

 認知症の中でも、脳梗塞や脳出血などによって起こる「血管性認知症」が約3割を占め、増加傾向にある。背景には食生活の欧米化などによる、糖尿病や高血圧患者の増加があるといわれている。

 予防には、脳梗塞などに使用される抗血栓薬、いわゆる「血液サラサラ薬」に一定の効果があると考えられている。しかし出血性の合併症が起きる可能性もあり、副作用の少ない新たな治療法の開発が求められてきた。

 そんな中、日本発の朗報がもたらされた。国立循環器病研究センター、名古屋大、京大の共同研究グループが、長寿遺伝子と呼ばれる「サーチュイン」を脳内で活性化させることで、血管性認知症の予防ができることを明らかにし、米医学誌『ストローク』に発表したのだ。

 サーチュインとは、すべての人が体内に持つ生物の寿命に関わる遺伝子。普段は眠っているが、飢餓などの危機的状況に陥るとスイッチが入り活性化する。長寿遺伝子とも呼ばれ、アンチエイジングを実現する可能性があるとして、世界中で研究が進められているものだ。
 

●長寿遺伝子がマウスの脳を活性化


 研究グループは、サーチュインの活性化で脳卒中が原因となる認知症を予防できるのではと考え、脳のサーチュイン量が通常の2~3倍になるよう遺伝子操作したマウスを作成。このマウスと普通のマウスに、頸動脈を細くする手術を行い、迷路を通らせる実験をして認知機能を観察した。 

 その結果、普通のマウスは頸動脈の狭窄によって認知機能の低下(認知症)が起こり、間違いが多かったが、サーチュイン遺伝子が働くよう操作したマウスでは認知機能が正常に保たれていたのだ。

 さらに原因を探るために両方のマウスの脳血流を測ると、遺伝子操作したマウスは頸動脈を細くしたにもかかわらず、脳血流がほとんど減少していなかった。サーチュインが働くことで、血管を拡張させる物質(一酸化窒素)を合成する酵素がONの状態に保たれ、脳血管を広げていたために血流が減らなかったのである。細胞内で指揮者のように働き、命を活性化させるサーチュイン遺伝子の力には、ただ驚くばかりだ。