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知名度&生き様“どん底”芸人、2大タイトルに王手の快挙!秘策は“底辺の笑い”?

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お笑いコンビ・巨匠の岡野陽一(左)と本田和之(右)
 若手芸人の登竜門『NHKお笑い新人大賞』、コント芸日本一を決める『キングオブコント』(TBS系)という2つのビッグイベントで今年、王手をかけているお笑いコンビ・巨匠。お笑い新人大賞では313組から本選に進出した8組に、キングオブコントでは2,810組からファイナリスト10組に勝ち残っている。

 2冠を目前にした実力はまぐれではないが、その名前を聞いたことがない人がほとんどのはず。当の本人も「誰も僕たちのことを知らないと思います。今までテレビにも『あらびき団』(TBS系)と『爆笑オンエアバトル』(NHK)の2回しか出たことがありませんから」(岡野)と自嘲気味に話すが、一度見たら病みつきになる「なんとなくわかる、ファンタジーあるある」な芸風は、お笑い界に旋風を巻き起こすかもしれない。

 プロダクション人力舎に所属する2人は、2008年にコンビを結成した芸歴6年の若手。そのコントは、どこにでもいそうな“底辺のおじさん”を主人公にしたネタから、“妖怪のマジックショー”まで、現実と幻想を使い分けながらも、世の中からつまはじきにされた者たちへの優しい眼差しにあふれている。

●天性の楽天家・岡野陽一


 ネタづくりを担当する岡野は、人格破綻者を自認するはみ出し者で、パチンコをこよなく愛し、週末になると馬券売り場に足繁く通うギャンブル好き。「いい台を確保しようと開店と同時に必死で走るおじさん、競馬中継を見て絶叫するおじさんの姿はたまらんですよ。クソみたいなんだけど、哀愁があるおじさんが大好きなんですよね」と、そこで目にした“底辺の闘い”がネタの原点になっている。

 1990年代に放送され人気を集めたコント番組『ダウンタウンのごっつええ感じ』(フジテレビ系)を見て育った岡野は、「いつかはスターになるんだ」と思い続けるも、18歳でハマったパチンコに「年360日は通っていた」という自堕落な生活を送り、大学も4年間でひとつも単位が取れずに中退。地元・福井に戻り、工場で働くも中年作業員が喫煙所で繰り広げる不毛なトークに耐えられず、「このままじゃダメだ」と一念発起し、上京して芸人に。

 東京で芸人として新たなスタートを切るも、トレードマークの髭が災いし、「髭がNGなバイトがほとんどですし、たまに“どんなヤツでもOK”みたいな居酒屋もありますが、そういうところってタトゥーもOKなんですよね。僕はタトゥーが入っている人が怖くて仕方ないから、働けないんですよ」。バイトの道を絶たれ、お金を借りる生活で膨れ上がった借金は数百万円に。「もしキングオブコントで優勝して(賞金1,000万円が入って)も、相方と折半したら全額は返せないんですよ」と笑い飛ばし、「でも僕は仁義にあついので、借りている人にはまめに『返す気はあるよ!』とLINEを送っていますから大丈夫です」と天性の楽天家は悪びれる様子がまったくない。