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碓井広義「ひとことでは言えない」(11月9日)

女優が熱戦!観るべき秋連ドラ3本を厳選&解剖 アラフォー女性の本音、エンタメ全開…

文=碓井広義/上智大学教授
女優が熱戦!観るべき秋連ドラ3本を厳選&解剖 アラフォー女性の本音、エンタメ全開…の画像1『ドクターX~外科医・大門未知子~』公式サイト(テレビ朝日HP)より

 秋クール(10~12月期)の連続テレビドラマには、各局とも春と同じか、それ以上の力を入れて臨んでいる。それは米倉涼子、永作博美、綾瀬はるか、石原さとみ、松下奈緒、武井咲といった主演女優の充実ぶりからもうかがえる。今回はヒロイン(女優)たちの熱い戦いとなっている秋ドラマから注目の3本を選んでみた。

●『ドクターX~外科医・大門未知子~』(テレビ朝日系/主演:米倉涼子)

 米倉が主演する同ドラマは、『相棒』と並ぶテレビ朝日の看板ドラマだ。今期がシーズン3となるが、その徹底した“エンタメぶり”で前2作をしのいでいる。

 まず今回、「国立高度医療センター」という新たな舞台を設定したことで、手術室など施設や設備を含め、“医療ドラマ”としてのスケール感は一段とアップした。

 次に、その舞台に居並ぶ面々が実に豪華だ。いきなり更迭される総長に中尾彬。入れ替わる新総長は北大路欣也。そして次期総長の座を狙うのが古谷一行である。ライバル関係にある外科部長は、伊武雅刀と遠藤憲一のコワモテ2人。前シリーズで帝都医大を追われながら、しっかり西京大病院長に収まっている西田敏行も相変わらず元気だ。このメンバーによる濃い芝居を見ていると、『白い巨塔』(フジテレビ)と『華麗なる一族』(TBS系)と『半沢直樹』(同)がオーバーラップして、思わず苦笑いしてしまう。

 男たちの権力争いは往年の東映やくざ映画のようにむき出しで、遠慮がなく、わかりやすい。すべてはヒロインのためであり、そのおかげで実質的紅一点である大門未知子を演じる米倉涼子の印象が鮮やかなのだ。

 舞台が移ろうと、男たちの戦いが激化しようと、大門¬=米倉のスタンスは決して変わらない。超のつく手術好き、天才的な腕前、さばさばした男前な性格。このブレなさ加減こそが本シリーズの命である。

●『さよなら私』(NHK/主演:永作博美・石田ゆり子)

 自分の妻と浮気相手の女性の心が入れ替わってしまう。しかも妻と女性は高校の同級生で親友なのだ。いつ元に戻れるのかもわからないまま、彼女たちは互いの生活を“交換”せざるを得なくなる。妻は永作博美、愛人が石田ゆり子という絶妙なキャスティングの同ドラマは、この秋、最も大人向けといえるドラマだ。

碓井広義/上智大学文学部新聞学科教授

碓井広義/上智大学文学部新聞学科教授

1955(昭和30)年、長野県生まれ。メディア文化評論家。2020(令和2)年3月まで上智大学文学部新聞学科教授(メディア文化論)。慶應義塾大学法学部政治学科卒。千葉商科大学大学院政策研究科博士課程修了。博士(政策研究)。1981年、テレビマンユニオンに参加、以後20年間ドキュメンタリーやドラマの制作を行う。代表作に『人間ドキュメント 夏目雅子物語』など。著書に『テレビの教科書』、『ドラマへの遺言』(倉本聰との共著)など、編著に『倉本聰の言葉――ドラマの中の名言』がある。

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