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ハーバード経営大学院の教材に日本企業急増?日本のベンチャー、世界有力企業の手本に?

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ハーバード・ビジネス・スクール(「Wikipedia」より/Chensiyuan)
 9月22日付読売新聞記事によると、全日本空輸(ANA)の持ち株会社ANAホールディングスの国際戦略が米ハーバード大学の経営大学院、ハーバード・ビジネス・スクール(HBS)の必須科目の教材に採用されるという。日本航空(JAL)が国を代表する航空会社の地位を長年占めてきたが、発想の転換と環境変化への対応で逆転した「2番手企業の逆転物語」として、市場調査(マーケティング)の授業で紹介される。ANAの国際線は1986年の初就航から赤字続きだったが2004年度に黒字化し、今年5月に輸送実績で初めてJALを上回ったことが評価された。

●国際線の輸送実績でANAがJALを逆転


 航空会社の実力を測る指標に、輸送能力を表す「座席キロ」(座席数×飛行距離)と、旅客が搭乗して飛行した距離を示す「旅客キロ」(旅客数×飛行距離)がある。

 ANAの国際線の座席キロは4月、国際線定期便の就航以来、初めて単月でJALを上回り、国際線の旅客キロでも、5月に初めてANAがJALを抜いた。

 14年4~8月の国際線の輸送実績はANAがJALを激しく追い上げ、座席キロはANAの206億キロに対してJALは199億キロ、売り上げに直結する旅客キロはANAとJALが共に150億キロで並んだ。夏休みの稼ぎ時である8月の旅客キロはANAがJALを上回っており、年間を通すとANAがJALを上回ることは確実だ。

 この逆転には政府の意向が大きく関係している。それは3月から羽田空港で増えた国際線の発着枠を国土交通省が配分する際に、ANAに1日11便、JALに5便と露骨な傾斜配分を行ったからだ。こうした動きの背景としては、民主党政権が主導したJAL再建に批判的な自民党の働きかけがあったというのが定説だ。実際、自民党内には「16枠全部をANAに渡すべきだ」との極端な意見もあったという。

 政府による「ANA優遇、JAL冷遇」は、そのまま両社の勢いの差として、輸送実績を示す国際線の座席キロと旅客キロに如実に表れたといえる。航空会社の命運を決めるのは、企業努力もさることながら、時の政権との距離であることをまざまざと見せつけた格好だ。「2番手企業の逆転物語」の教材では、政治力学についてどう扱うのかが気になるところだ。

●教材に採用された主な日本企業


 HBSの教材は、世界規模で集めた企業の経営戦略の中から採用するため、評価が高く、各国の主な経営大学院でよく使われる。登場事例は経営戦略のお手本となり、世界の有力企業の幹部らに影響を与えることもある。