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吉田潮「だからテレビはやめられない」(11月11日)

仲間由紀恵の不幸 致命的にツマラなくブスをナメた新連ドラで、“仲間の良さ”殺される

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『SAKURA~事件を聞く女~』公式サイト(「TBS HP」より)
主要なテレビ番組はほぼすべて視聴し、「週刊新潮」などに連載を持つライター・イラストレーターの吉田潮氏が、忙しいビジネスパーソンのために、観るべきテレビ番組やテレビの“楽しみ方”をお伝えします。

 今期(10~12月期)の連続テレビドラマは断然TBSが面白い。鉄板の続編『MOZU Season2』『深夜食堂3』あたりはハイクオリティ&納得の構成で、続編なのに色褪せず。クドカンこと宮藤官九郎の『ごめんね青春!』、湊かなえ原作『Nのために』は、新奇性があって飽きさせない作りで目が離せない。そんなこんなで、視聴率は伴わなくても気炎吐きまくりのTBSドラマ群で、かなり残念な作品が。仲間由紀恵主演『SAKURA~事件を聞く女~』だ。

 NHK朝の連続テレビ小説『花子とアン』でようやく老若男女に認知された仲間。もちろん『ごくせん』『TRICK』などの過去の代表作で名を馳せたのだが、基本若者向け作品だったし、トリッキーな3枚目路線だったわけで。その後はイマイチ現代劇に合わない雰囲気が拭えずに微妙な立ち位置だった。『花子とアン』の蓮子という役柄は当たり役だったが、あれもいわば古典的な役どころ。美人だけど外連味たっぷり、浮世離れしている役はいいんだけどな。

 で、今回は心の声を聞き取ることができる特殊能力者の役。下町のDJやりながら、生活安全課の警察官で、さらには潜入捜査員というムチャブリ。堤幸彦レベルあるいは金城一紀クラスで特殊能力を描くならいいのだが、ほんわか手ぬるい人情ホームドラマ風で面白いところがひとつもない。誰もつぶやくにつぶやけない。無関心という名の黙殺状態に陥っている。

『TV大人の視聴』(吉田潮/講談社)
 何が不憫って、「潜入捜査で着せ替え人形状態」が痛々しい。ただでさえ浮世離れしているのに潜入捜査員かぁ。この手の着せ替え人形劇は、よくモデル出身の女優が主演する作品で多くみられる。なぜかパーティー会場にドレスで行ってスタイルの良さをアピールしたり、キラキラ&毛皮を身にまとうホステスやキャバ嬢になったり。辟易するのは、おかっぱヅラに丸眼鏡、そばかす描いて「ブス風」に仕上げる、手垢のついた手法。これ、宮本信子の専売特許ですから。ブスなめんなよ。

 いくらコスプレしたって外連味は余計に悪目立ちするだけだ。もっとじっくり見せ場がある役ならまだしも、仲間の「妖力」みたいなものがまったく活かされず。森光子の継承者として「浮世離れの年齢不詳道」を貫き、我が道をゆく仲間を心から応援したいのだが、このドラマは正直、ハズレである。仲間にとって。