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住宅ローン、固定金利は損?「変動金利は危険」はウソ?利子支払い額で大きな差

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 しかし、現状では当面、金利が上がっていくとはなかなか考えにくい。というのも、アベノミクスでは「大胆な金融緩和」が“3本の矢”の1本だからだ。「大胆な金融緩和」では、金利は低水準となる。ならば、特に政策金利に連動する変動金利は大きく動かないという結論になる。『住宅ローンの教科書』(加藤孝一、池上秀司/週刊住宅新聞社)によると、ファイナンシャルプランナーである2人の著者も変動金利が上昇する可能性は低いとしている。

「今、日銀が利上げをするでしょうか。常識で考えれば答えはNOです。確かに将来は上がるかもしれませんが、株価が上がっただけでいきなり変動金利上昇に結び付けるのはどうなのでしょうか。(略)さらに、政府は2015年10月には消費税を10%にしたいと考えています。それまで(その後も)景気をよくしなければいけません。それまで利上げの可能性が高いとはいえないでしょう」(同書より)

 また、金利が上昇するにしても、変動金利の推移を過去20年で見てみると、店頭金利は1994年の4%を最後に2%台が続いており、4%まで上がるような事態にはならないだろう。変動金利の上昇幅と物価上昇率は同等に動くという説もあるが、「変動金利の基となっている無担保コールレート・オーバーナイト物が短期間で2%も上昇するというのは低金利の今では可能性がゼロでないだけで、常識で考えればあり得ません。仮に変動金利が2%も上昇するならば物価上昇率は2%では済まないと考えるのが妥当でしょう」(同)と述べ、金利が大きく上がることは考えにくいとしている。

●デメリットばかり強調される変動金利


 さらに「変動金利の返済額は金利が何%になっても5年間は一定ですし、5年後に返済額が上がっても、それまでの返済額の1.25倍が上限と決まっています」と述べ、変動金利のデメリットが強調されすぎだと、疑問を投げかけている。

デメリットとメリットを比較して考えてみれば、それがよくわかる。

「確かに0.775%の変動金利は、将来金利上昇するでしょう。しかし、将来であれば利息を形成するもう一つの要素である元金は確実に減っています」(同)

「変動金利で借り入れれば、当初から固定金利で借りるよりも残高の減少は促進されます。月々の返済額は固定金利よりも少ないので、繰り上げ返済資金もより多く作れます。それを適宜活用すれば、元金返済はより進みます」(同)

 このように、現状の金利水準では固定金利よりも変動金利のほうが元金は早く減る――という事実を同書ではシミュレーションしている。例として、4000万円の借入金を35年返済としてローンを組んだ場合、変動金利0.775%と全期間固定2.3%での毎月の返済額を比較すると「変動金利の返済額は10万8768円、一方全期間固定のほうは13万8746円となり、約3万円の差があります。(略)1回目の利息と元金を確認してみると、変動金利の1回目の支払利息は2万5833円です。10万8768円からその金額を引いた8万2935円が、実際の借入返済(元金)に回ります。では、全期間固定金利の利息はいくらになるでしょう。ひと月3万円多く返済するのですが、1回目の利息は変動金利よりも5万円以上も多い7万6667円です。そして元金に充当するのは、残りの6万2079円になります。返済額が多くなるのに実際の借り入れの返済(元金)は、2万円も少なくなります」(同)。

 つまり、変動金利にしたとして、返済期間中に金利が上がっても、それまでに元金返済が相当に進むと考えられ、負担は大きなものにならないという。

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