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住宅ローン、固定金利は損?「変動金利は危険」はウソ?利子支払い額で大きな差

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 逆にいえば、元金返済のスピードが遅い固定金利はその分、利息をより多く払っているということだ。この利息は金融機関の利益である。現状では、固定金利を選べば金融機関は得をし、住宅ローン負担者は損をすることになる。

 かといって、同書は、絶対に変動金利を選ぶべきと勧めるわけでもない。「固定金利を選ぶのが賢い」とされる固定金利一辺倒の風潮に疑問を投げかけているのだ。実際に低金利時代のこの10年間、変動金利を選んでいたか固定金利を選んでいたかで、元金の減り方は大きく違っているはずだ。先のシミュレーションに基づけば、5年間で元金は全期間固定が3606万円、変動金利は3493万円となっており、その差は113万円となる。

●メディアやFPにも疑問


 しかし今までに、この元金の減り方の違いを説明するメディアはあっただろうか。

「なにより、『変動金利を固定金利に』という風潮が強まったことで、実際にそのような行動を取った消費者がいたとすれば、メディアの被害者であり、騒ぐだけ騒いでその後の検証を行わない無責任な姿勢については疑念を抱かざるを得ません」(同)

 今回のハロウィン緩和に関しても、前出『住宅ローンの教科書』の著者の一人でありファイナンシャルプランナー(FP)の池上秀司氏は、自身のブログでメディアや専門家に手厳しいコメントをこう書いている。

「私が理解できないのは、このような住宅ローンに関して重大なニュースがあったにも関わらず、多くのFPがそれについての情報提供をしていないという点です。普段、どうでもいいときに『変動金利は危険です』と進歩のないネガティブキャンペーンに必死になり、消費者に無用な不安を与えている割には、こういった変動金利で借り入れしている方に安心していただくための情報提供はほとんど目にしません。

 それこそ、『変動金利で借入するならば、金利に関する情報をこまめにチェックして』などといっていますが、これだけ重大な情報をスルーしているのですから、説得力がまったくありません。なにせ、この金融緩和とは彼(彼女)らの見立ての180度逆の流れなのですから、その本人達が情報を精査する能力を有しているとは思えず、専門家を名乗ることには疑念を抱かざるを得ません」(「池上秀司のブログ」より)

 業界関係者にとっては厳しすぎるかもしれないが、真っ当な指摘ではある。
(文=松井克明/CFP)

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