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リクルート、“攻めの”減益で成長加速 3つの原則で海外事業実績重ねる 財務リスクも

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リクルートホールディングス本社が所在するグラントウキョウサウスタワー(「Wikipedia」より/Kure)
 株式上場後初の決算は、ほろ苦いものとなった――。

 リクルートホールディングスが11月13日に発表した今期(2015年3月期)中間連結決算(14年4-9月)は、最終利益が前期比4.1%減の285億円、営業利益が同3.2%減の534億円だった。同社が決算指標として重視しているEBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却額)も同1.1%増の858億円と小幅増にとどまった。一方、売上高は同10.4%増の6173億円だった。

 主要3事業のうち人材メディア事業と人材派遣事業は好調だったが、収益への貢献度が高い販促メディア事業が振るわなかった。販促メディア事業は住宅情報サイト「スーモ」、結婚情報誌「ゼクシィ」などを運営している収益面の稼ぎ頭。売上高こそ主力の人材派遣事業の半分程度だが、EBITDAは全体の53%も占めている(いずれも14年3月期実績)。それが今期中間決算では売上高が前期比3.3%増で3事業中最低、EBITDAは同4.4%減で3事業中唯一マイナスとなった。

●主力の販促メディア、減益覚悟で先手


 販促メディア事業の減益要因は、IT戦略の経費増だった。同事業のうち、住宅や結婚の情報サービスを手掛けている「ライフイベント」分野の売上高は4月の消費増税の影響で前期比0.4%減と低調だったが、旅行、飲食、美容などの情報サービスを手掛けている「日常消費」分野は前期比7.3%増と好調だった。これはIT戦略の成果だとみられる。

 同社は昨年11月に「Airレジ」、今年1月に「サロンボード」と名付けたクラウド型ITサービスを開始、新規クライアントの拡大に努めている。Airレジは飲食店向けのPOSレジアプリで、スマートフォン(スマホ)やタブレットで予約・売上管理ができるのが特徴。グルメサイト「ホットペッパーグルメ」の広告クライアントなら無料で導入できる。サロンボードは美容サロン向けの予約管理システム。電話と紙台帳で行っていた予約管理を省力化できる。仕組みはAirレジと基本的に同じで、こちらも美容サイト「ホットペッパービューティー」の広告クライアントは無料で導入できる。

 この2サービス提供開始の結果、今年4-9月の半年間でホットペッパーグルメのネット予約人数は900万人に達し、ホットペッパービューティーは同1341万件に達した。13日に記者会見したリクルートの峰岸真澄社長は「前期比伸び率は具体的に明かせないが、両方とも倍以上に伸びた」と、顔を綻ばせた。

 成果が顕著なことからAirレジとサロンボードを武器にした新規広告クライアント拡大活動は当面続ける方針だ。だが新規クライアント獲得経費がかさむため、販促メディア事業は通期でも前期比増収減益の見通しを示している。