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新幹線輸出、オールジャパン体制始動 アジア鉄道争奪戦、世界強豪勢との競争過熱

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新幹線(「Thinkstock」より)
 日本の新幹線輸出に弾みをつけようと、ようやくオールジャパン体制が始動した。

 10月22日、ホテルオークラ東京で高速鉄道国際会議が開催された。会議にはJRグループなど日本の関係者のほか、高速鉄道計画がある米国や豪州、マレーシア、インドなど、海外からも約70人が参加した。日本の車両や運行技術は世界最高水準との評価が高いが、開業50周年を迎える東海道新幹線などを引き合いにしながら、各国の鉄道計画における新幹線や超電導リニア技術の採用を訴えた。

 会議を主催した国際高速鉄道協会(IHRA)の会員にはJR東日本、JR東海、JR西日本、JR九州のJR各社のほか、日立製作所や川崎重工業、三菱商事、三井物産など鉄道車両に製造・販売に関わる30社近くが加わっている。まさにオールジャパンの陣容である。

 JRグループや車両メーカー、商社が連合を組むのは初めてだが、JR東日本とJR東海の対立が、それを阻んできた。JR東日本元会長の松田昌士氏とJR東海名誉会長の葛西敬之氏はかつて「国鉄改革3人組」として国鉄民営化の立役者だった。だが、中国への新幹線の輸出をめぐり、積極的なJR東日本と、技術流出を懸念するJR東海が対立し、亀裂が生じた。

 そのため、新幹線の輸出実績は07年度の台湾高速鉄道だけだ。仏独をはじめとする欧州の高速鉄道や、低価格を打ち出す中国などとの受注競争は激しい。巻き返しには官民が手を組むオールジャパンの取り組みが不可欠だとして、JR東日本とJR東海が手を組むことになった。

●世界市場で存在感薄い日本勢


 国内の鉄道車両メーカーは日立と川崎重工が双璧をなす。両社とも新幹線から通勤用車両まで幅広く製造している業界最大手だ。ただ、鉄道車両の国内需要は頭打ちで、今後の成長のエンジンとなるのが海外だ。

 日立は、12年に英国の高速鉄道車両の製造・保守業務を受注した。総事業費は6750億円で、今年10月には英国で鉄道を運行するオランダのアベリオ社に通勤用車両を供給する契約の優先交渉権を得た。都市部近郊の通勤車両の受注が決まれば今回初となり、受注額は400~500億円の見込みだ。日立の14年3月期の鉄道事業売上高は、前期比15%増の1682億円。新幹線を含む国内の売上高が65%を占め、依然国内が売り上げの柱である。17年3月期には現在35%の海外売上高比率を65%に高め、鉄道事業全体の売上高を2400億円に増やす計画だ。