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日米野球、全試合視聴率1ケタで壊滅的…各局が放送“せざるを得ない”裏事情とは?

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「2014 SUZUKI 日米野球 公式サイト」より
 2014 SUZUKI 日米野球は11月10~20日まで、壮行試合、日本プロ野球80周年記念試合、親善試合を含め、計8試合が行われ、すべて地上波放送でゴールデンタイム(19~22時)にテレビ中継されたが、視聴率は全試合1ケタに終わった(関東地区、ビデオリサーチ調べ。以下同)。

 テレビ局関係者は、中継の裏事情を次のように明かす。

「苦戦は予想していましたが、あまりに低すぎました。特に、壮行試合である10日の侍ジャパンこと日本代表チーム対福岡ソフトバンクホークス・北海道日本ハムファイターズ連合の視聴率は4.9%と惨敗でした。放送したフジテレビは、貧乏くじを引いてしまった感があります」

 4試合を中継し、平均7.7%に終わった日本テレビは特に大きな打撃を受けた。

「もともと、正力松太郎が尽力し、ベーブ・ルースが来日した1934年の日米野球を機に日本の野球は発展しました。正力といえば、“テレビ放送の父”とも呼ばれる日テレの初代社長。そのような流れもあって、日テレは日米野球を放送せざるを得ないのです。しかし、視聴率3冠を目指す今、本音をいえば数字の取れない日米野球は、できれば放送したくないはずです。日本代表チームが4投手の継投でメジャーリーグ(MLB)オールスターチームをノーヒットに抑えて勝利した15日でさえ9%と、2ケタに届きませんでした。この日は通常通り『志村どうぶつ園』『世界一受けたい授業』を放送していれば、12%以上は確実に取れたはずですから、残念でしょう」(同)

●低視聴率でも放送しなければならないのは、WBCの放送権獲得のため

 前回開催の2006年は全6戦が行われ、最高視聴率は読売ジャイアンツ(巨人)対MLBオールスターの試合で、11.4%を記録。今年の阪神タイガース・巨人連合対MLBオールスターは7.2%だったため、単純に見れば、4.2%も下落したことになる。

「06年当時は、まだ巨人戦が地上波全体で100試合以上もゴールデン帯に中継されていました。それに対して今年のナイター中継は10試合にも満たない状況で、それを考えれば、よく7%台をキープできたと思います。今後、地上波の巨人戦中継数が激増することはないでしょうから、日米野球についても視聴率は下がることはあっても、大幅に伸びるとは考えにくいです」(同)

 それでも、テレビ局側は日本代表の冠がつく試合を放送し続けるようだ。それは、野球の世界一決定戦であるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)が開催される際の放送権を獲得するためだという。

「WBCは、ゴールデン帯で放送すれば、確実に視聴率30%以上を計算できるコンテンツです。放送権を得るためには、いかに侍ジャパンに“貢献”したかが問われます。そのため、たとえ視聴率が1ケタしか取れないとしても、放送しなければならないのです。サッカーの日本代表戦は親善試合でも15%前後を計算できます。視聴者にワールドカップ(W杯)までの道筋がわかりやすいから、ということも理由の一つでしょう。しかし、野球においてはWBC自体の価値が曖昧で、“誰もが目標とする頂点”とは言いづらいのが現状です。そのへんが見透かされているのではないでしょうか」(同)

 WBCの価値を上げていかなければ、日本代表の試合は低視聴率のままになりそうだ。
(文=編集部)