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タレントの潜在視聴率、テレビ離れを加速?データ偏重の番組づくり、内容の凡庸さ助長か

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『SAKURA~事件を聞く女~』公式サイト(「TBS HP」より)
 テレビ局には、タレントの“潜在視聴率”なるデータが存在する。わかりやすく言えば、あるタレントが出演することで、どのくらい視聴率が上がる可能性を持っているかを指し示す資料である。広告代理店やテレビ局はこれを元に、番組出演者を決める傾向にある。

 テレビ局関係者は、その実態を次のように明かす。

「潜在視聴率のデータは非常に参考にされています。スポンサーが『このタレントを司会に起用したい』と言っても、局側が『それでは視聴率を取れません。このタレントなら、これくらい数字を持っています』と、スポンサー側の意向を断る際の資料としても使われています。キャスティングにおいて、かなり重要な役割を担っています」

 週刊誌「FLASH」(光文社/11月4日号)では、『2014年10月期 女優&女子アナ潜在視聴率・ギャラTOP30』という特集が掲載されている。上位にランクインされているのは、吉高由里子や杏、仲間由紀恵といったNHK連続テレビ小説に出演していた女優が並び、潜在視聴率は2ケタを超えている。

「潜在視聴率は、『そのタレントが出演したら、どのくらいの視聴者が見たいと思っているか』を示す数字であり、もちろん『出演すれば、これだけ視聴率を取れる』という意味ではありません。

 例えば、今クールの仲間由紀恵主演ドラマ『SAKURA~事件を聞く女~』(TBS系)は、初回9.9%と伸びませんでした。仲間は9月に終了した朝ドラ『花子とアン』直後の主演であり、数字が上がると期待されていただけに、意外な低調です。しかし、仲間の潜在視聴率は2ケタあります。『あくまで“潜在的な”視聴率』ともいえますが、それならば潜在視聴率の信用度はもう少し下がってもいいはずです。それにもかかわらず、今のテレビ局はあまりにこのデータに重きを置いて、キャスティングが偏り過ぎています。

『また同じ顔ぶれか』という視聴者の意見はたびたび聞かれますが、そのような意見はまったく番組制作に反映されず、視聴者に飽きられるまで使われます。その結果、タレントのテレビ出演寿命も短くなっているのです。視聴者はもっと意外なキャスティングを望んでいると思いますが、そのような意見は通りにくいのが現状です」(同)

 そもそも、潜在視聴率ランキングは2000年代半ばに登場したもので、思えばこの頃から「テレビがつまらなくなった」と言われ始め、10年代には“テレビ離れ”が進んで総世帯視聴率も下がっている。マーケティングに走るばかりに、テレビ番組から意外性や驚きが消えていった。今こそ、マーケティングありきの手法を見直すときかもしれない。
(文=編集部)