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JMR生活総合研究所「消費と会社の戦略を読む」(12 月13日)

消費再増税延期、持続的消費回復につなげる条件とは 消費意欲底堅く、低価格離れ進む

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 11月17日、7-9月期のGDP速報が発表され、実質GDP成長率が前期比0.4%減(12月8日発表の2次速報は同0.5%減)と2期連続のマイナスとなり、年率換算で1.6 %もの大幅減となった。この数値は株式市場に衝撃を与え、速報発表当日の日経平均株価終値は517円安となった。これを受け安倍晋三首相は18日、来年10月に予定していた8%から10%への消費再増税延期と、その信を国民に問うため、衆議院を解散することを発表した。


 では、今回の消費再増税延期は、今後の消費にどのような影響を与えるのだろうか。結論からいえば、高収入層や高資産層などの富裕層に牽引されて、消費は短期的には回復する可能性が高くなった。そして今後の消費動向を占う上では、「GDP速報ショック」と呼ばれるほどエコノミストや株式市場が驚いた背景にカギが隠れている。

「JMR生活総合研究所 HP」

●GDP速報ショックの実態


 アベノミクスを振り返ってみると、12年末の安倍政権発足後、アベノミクスへの期待感と量的質的金融緩和と呼ばれる異次元金融緩和により景気は浮上した。政権誕生のアナウンスだけで円安に振れ、輸出企業の業績が回復し、株価は上昇した。例えばトヨタ自動車は、1円の円安で約400億円営業利益が増える。株価などのリスク資産が急騰し、金融および実物資産が増加した。

 その恩恵を大きく受けた富裕層が、消費回復の牽引役となった。金融緩和による物価上昇は、自動車、家電などの耐久財を多く購入する富裕層には、将来の値上げで損するよりも今買ったほうが得という、将来の消費(貯蓄)よりも現在の消費を選好する「代替効果」をもたらした。

『ジェネレーショノミクス:経済は世代交代で動く』( 東洋経済新報社/松田久一)
 例えば、2000~3000万円の高級輸入車を購入予定の場合、将来円安による値上げや今年4月の消費増税で2~3割高い値段で買うより、今買っておいたほうが得ということになる。都内の百貨店でも、宝飾や時計などの高額品が飛ぶように売れた。