ビジネスジャーナル > 社会ニュース > 12月、酔客原因で鉄道事故急増  > 3ページ目
NEW
【鉄道安全レポート】人身事故概況(11月)

駅ホームの非常ボタン、押したらどうなる?12月、酔客原因で鉄道事故急増

文=佐藤裕一/回答する記者団
【この記事のキーワード】, , ,

「ただし注意点として、列車が進入しているときは無理に引っ張るようなことは逆効果になることがあります。例えば、黄線の外側に泥酔した方がいるとして、周囲のお客様がその方を線の内側に寄せようと引っ張ると、泥酔している方は振り払おうとして暴れたり、倒れることがあるのです。そうすると、一緒に線路内に転落して事故につながる恐れがあります。ですから、そういう場合は声をかける程度にすることが大事です」

「非常ボタンを押すと、危険を知らせる信号が点滅します。運転士がそれを確認すると非常停止の措置を取ります。ボタンを押すと同時に緊急停止するわけではありません。万が一、運転士が信号を見落としている場合や停止措置が間に合わない場合は、そのまま電車が入ってくるので、非常ボタンを押しても線路に立ち入ることは絶対にやめてください」

 JR東日本の広報部も同様に、「躊躇しないで、とにかく非常ボタンを押してください。そしてホームから降りるのは危険なのでやめてください」と話している。

●鉄道人身事故の概況(2014年11月1日~30日)

 11月中に発生した鉄道人身事故(踏切事故を含む)で、筆者が被害状況を把握しているのは78件に上り、50代以上の男性を中心に、2歳から80代までの男女61人が死亡した。

※11月15日早朝、新横浜駅で新幹線の屋根に上り感電した25歳の無職男性は後に死亡したが、列車との接触事故ではないため集計からは除外した。

【死傷】
10歳未満 男性1名(2歳)
10代 男性3名
20代 男性5名、女性4名
30代 男性3名、女性5名
40代 男性7名、女性5名
50代 男性12名、女性6名
60代 男性10名、女性3名
高齢 男性10名、女性3名
不明 男性3名、女性3名
(年代性別ごとの分布は、死傷者が「20~30代」という場合、「20代」と「30代」のいずれにも反映させているため、実際の死傷者数とは一致しない)

 警察への取材や他社の報道から判明している被害状況は以下のとおり。

【11月1日 6時2分 JR中央本線 中津川駅~美乃坂本駅間(岐阜県)】
中津川市千旦林の線路内で、50代の男性が名古屋行きの普通列車にはねられ死亡。

【11月1日 7時11分 JR東北本線 須賀川駅~鏡石駅間(福島県)】
須賀川町鏡田地内の下り線で、高齢の男性が福島方面に向かう列車にはねられ死亡。

【11月1日 16時40分 JR指宿枕崎線 宇宿駅~谷山駅間(鹿児島県)】
鹿児島市東谷山の線路内で、42歳の会社員男性が普通列車にはねられ死亡。

【11月1日 18時22分 JR中央線 大久保駅(東京都)】
63歳の無職女性が、三鷹行きの普通列車にひかれ死亡。

駅ホームの非常ボタン、押したらどうなる?12月、酔客原因で鉄道事故急増のページです。ビジネスジャーナルは、社会、, , , の最新ニュースをビジネスパーソン向けにいち早くお届けします。ビジネスの本音に迫るならビジネスジャーナルへ!