「店長のなり手がいない。人手不足はコンビニだけでなく、建設現場でも外食産業でも同じようなことが起こっている。人件費が急騰し、特に夜間のアルバイト店員を集めるのには頭が痛い。時給800円ぐらいだったところも今では1100円を超えている。大手の外食チェーンなどでは人手が足らずに店舗を閉めるところもある」(コンビニ業界関係者)
そんな中、セブン-イレブン・ジャパンは2014年度内に1600店、ローソンは1100店、ファミリーマートは1300店の出店を予定している。コンビニは1店舗当たり平均20人ぐらいの従業員が必要となる。大手3社だけで4000店新規出店するとすれば、わずか1年で8万人の新規雇用が生まれるわけだ。
これだけの人員を、どのように確保するのか。セブンでは都心の店舗で外国人採用なども目立ってきており、店舗によっては1時間単位の勤務でアルバイトを募集しているところもあるという。
「人手不足といっても地域差があり、必ずしも全国的に不足しているわけではない。また、外国人のためのマニュアルを開発したり、本部が一括してアルバイト募集をして各店舗に紹介するためのコールセンターを設置するなどしている。福岡県では県と包括提携して県が運営する『70歳現役応援センター』で説明会などを開き、高齢者などの雇用を進めている」(セブン広報担当者)
ローソンは首都圏などに34店舗を運営する加盟店企業、フュージョンズと人材紹介の会社ローソンスタッフを設立。ローソンスタッフがパートやアルバイト店員の採用を行い、フュージョンズが運営店で研修して希望に合っ店舗に紹介する。
「ローソンスタッフは、外国人留学生や高齢者を積極的に受け入れている。外国人には履歴書の書き方や言葉の使い方なども指導している。言葉の不自由な人には、弁当工場なども紹介している」(ローソン関係者)
またファミマは、人材派遣会社アイズ・インターナショナルと協力し、ファミマの店舗で働くことを前提とした派遣窓口を設けている。
「アイズはファミマとフランチャイズチェーン契約を結んで店舗運営も行い、店舗へ派遣される店員に1週間かけて調理やレジ打ちなどを教えている。1日数時間単位から店員の派遣を受けられ、首都圏5000店舗を対象としている。このほかホームページに『ファミJOB』のページを設けて人材を募集している」(ファミマ広報担当者)