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アドラーに学ぶ「ほめない」「叱らない」「教えない」部下育成の心理学

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アドラーに学ぶ「ほめない」「叱らない」「教えない」部下育成の心理学の画像1※画像:『アドラーに学ぶ部下育成の心理学』(小倉広/著、日経BP社/刊)

 「ほめない、叱らない、教えない教育」

 アドラー心理学による教育論を一言でいうと、こういうことになる。ところが、この理論は子育てには有効であるもので、企業の人材育成には適さないとみられてきた。なぜなら、企業組織においては「短期的な結果を出すこと」が必須だからだ。

 そんな先入観を消してくれるのが、本書『アドラーに学ぶ部下育成の心理学』(小倉広/著、日経BP社/刊)だ。著者である小倉氏は目先の業績と中長期的な人材育成の両立は十分に可能だと考えているという。本書では「教育の心理学」とも言われるアドラー心理学の視点から、部下育成術を紹介する。

■「親しき仲にも礼儀あり」の関係になるには?

 「親しき仲にも礼儀あり」といわれるように、家族や友人など、いかに親しい関係にあったとしても、人と人の間には適度な距離が必要だろう。そして、人は相手のプライバシーに踏み込んではいけない。人と人の間にある境目を心理学では「境界線」と呼ぶ。

 自分からこの境界線を越えて、他人におせっかいを焼いてしまうこともあれば、相手に境界線を踏み越えられることもある。

 大切なことは、相手の境界線を踏み越えて相手の課題に踏み込まないことと、相手が境界線を踏み越えてきた場合は、それを許さず、はっきりとNOということだと著者は述べる。アドラー心理学では、これを「課題の分離」と呼び、人間関係の基礎であると考えている。あらゆる人間関係のトラブルは課題の分離ができていないことから始まる。

 本書が提唱する「ほめない」「叱らない」「教えない」部下育成は、まさに課題の分離から発想された方法である。課題の分離は相互尊敬、相互信頼の前提と位置づけられているのだ。

■陰口で人間関係がめちゃくちゃに…どうすればいい?

 課題の分離は「感情」においても同じことがいえるだろう。著者は相手の感情を変えようと支配してはならず、支配に迎合してはならないと指摘する。

 本書では、こんなケーススタディが紹介されている。

 職場で仲のよいAさんが自分と仲の良くないXさんから良からぬ風評を吹き込んでいたために、仲の良かったはずのAさんは自分を避けるようになってしまった。そんな時、どうすればいいのか。Aさんに「Xさんの噂は嘘だ」と伝えるべきか。Xさんに「変な噂をばらまくのはやめてくれ!」と言うべきか。

 このケースは、感情における課題の分離ができていない典型例だ、と小倉氏は述べる。ではどうすればいいのだろうか? この場合、噂を信じるかどうかはAさんとXさんの課題だ。Aさんの感情やXさんの感情を変えようとすることは、相手の課題に土足で踏み込むことになる。自分がこのことで嫌われたとしても、好きになるか嫌いになるかもAさんとXさんの課題である。

BusinessJournal編集部

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