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脅かされる“異端児”りそな、減収地獄打破へ革命始動 混戦する業界の「切り札」に

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りそなホールディングス本社の所在する深川ギャザリア(「Wikipedia」より/Kamemaru2000)
 ようやく傷が癒え、体を起こした巨象が、これからどこへ向かおうとしているのか。りそなホールディングス(以下、りそな)に対する見方を表現すると、そのようになるのではないだろうか。

 りそなの東和浩社長があるメディアのインタビューで、2003年に受け入れた公的資金を来年中に3年前倒しで完済する意向を示したのは11月20日のことだ(りそなは翌日の告知で前倒し完済を否定)。このため「経営の自由度を取り戻したりそなが、どんな成長戦略を打ち出すのか」と、同社に対する市場関係者の注目が再び集まった。

 これに拍車をかけているのが、このところにわかに盛り上がっている地銀再編気運だ。10月に東京都民銀行と八千代銀行が共同持ち株会社「東京TYフィナンシャルグループ」を設立して経営統合したのを皮切りに、11月10日には九州名門地銀の肥後銀行と鹿児島銀行が来年10月をめどとした経営統合の協議を始めたことを明らかにし、11月14日には地銀最大手の横浜銀行と東日本銀行が、16年4月に共同持ち株会社を設立し経営統合すると発表した。

 これにより金融関係者は、りそなが地銀再編レースに参戦するか否かとの視点であらためて注目し始めた。同社は都銀のりそな銀行に加え、埼玉りそな銀行と近畿大阪銀行という有力地銀2行を傘下に擁しているからだ。

 りそなは公的資金完済後の成長戦略をどのように描いているのか、地銀再編レースに参戦するのか否かについて探ってみた。

●「稼ぐ力」が12年間で28.8%も縮小


「守りから攻めの経営へモードチェンジする」。東社長が社内で戦略転換を明らかにしたのは、8月に開かれた、りそな銀行の定例支店長会議の席上だったという。前月末に公的資金2349億円を返済したことで国の経営関与権が消滅。ピーク時に3兆円強あった公的資金の受け入れ総額も1280億円まで減り、完済が秒読み段階に入った事情を踏まえての発言だった。

 東社長が戦略転換を明示したのは「経営の自由度を取り戻したので、これからはなんでもやれる」という単純な動機からではない。その裏には、東社長に2つの危機感があったからだといわれている。

 1つは金融事業参入を加速する世界的IT企業、いわゆる“ITグローバルプレイヤー”に対する危機感だ。今年に入ってからだけでも、2月に米アマゾンが日本国内の融資事業に参入、9月にネット通販大手のアリババ集団が中国国内の銀行事業に参入、10月に米アップルが米国内の決済事業に参入と、大手IT企業の金融事業参入が相次いでいる。常々「IT業界のスピード感は金融業界の脅威」と語っている東社長は、これらの企業が近い将来さまざまなかたちでりそなの取引先に触手を伸ばしてくることを見越し、「今のうちに対抗策を打っておかないと侵食される」との危機感を持っているとみられる。