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マック、経営崩壊の予兆 呆れた“開き直り”謝罪会見、逃げる社長…いまだ異物混入続出

文=松崎隆司/経済ジャーナリスト
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 そして同社は問題の発覚した中国工場との取引を停止し、それまで中国とタイで製造していたチキン関連商品をタイの業者に一本化した。このとき再発防止策として次のような対策を行ったという。

「これまで年1回、事前予告の上で監査を行ってきましたが、その後、年2回抜き打ちで行うようになりました。また管理システムがきちんと守られるように、通知して徹底させるようにしました」(同社広報担当者) 

 しかし、果たしてこれで十分な対策だったといえるのか。今回、タイ工場で製造されたナゲットなどでも異物混入問題が起こっている。仮にマクドナルドがタイ工場に一本化したことで、従業員がオーバーワークになっていたとすれば、同社にも大きな責任がある。

 期限切れ鶏肉使用問題が発生した時に責任を末端の下請け工場だけに押し付け、まるで自社も被害者であったかのように語っていた。、しかし、もし問題発生時に顧客目線で危機管理体制を構築していれば、一連の異物混入問題が次から次へと全国で発覚し、マクドナルドの経営の屋台骨を揺るがすようなことはなかったのではないか。その責任は社長のカサノバ氏にある。

●いまだに続く不祥事

 ところが当のカサノバ社長は会見に姿を現さない。マクドナルド広報担当者は「社長は海外出張を切り上げて日本に帰国中で、出席できなかった」と説明しているが、ならば後日説明すべきだろう。しかし同社は「カサノバ社長が帰国後に公の場で説明をする予定はないのか」という質問に対して、「現時点では、そのような計画はない」と言い切っている。これでは、トップが説明責任を取らずに逃げ回っているとみられても反論できない。

 さらに「異物が混入したというのは、過去に何件ぐらいあったのか」という質問に対して「具体的な基準は社内規定なので、お話は控えたい。お客様に広範な影響を与える事象、それは結果として世の中の『リコール』とされるようなものがあるが、そういったものが発覚したら公表していく」と語っている。マクドナルド社内にはどこか、「たかが異物混入くらい」という思いがあったのではないか。

 たしかに異物混入を完全に防ぐことはできないかもしれない。しかしマクドナルドが問われているのは、単なる不可避な問題ではなく、「安心・安全」に対する姿勢だ。これまで工場や店舗で起こっている問題は、コーポレートガバナンスの欠如、安全管理やマニュアルの不徹底など経営に関わる重要な要素に起因する。

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