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マクドナルド、異物混入頻発でも満席の謎…なぜ“あえて”食べる?客に突撃取材してみた

文=編集部
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マクドナルド、異物混入頻発でも満席の謎…なぜ“あえて”食べる?客に突撃取材してみたの画像1東京都内のマクドナルド店舗(「Wikipedia」より/Sven Manguard)
 今年に入り、商品に異物が混入していたとの指摘が相次いでいる日本マクドナルド。チキンマックナゲットのビニール片らしきものに始まり、ホットケーキにアクセサリーの金具、さらにはマックフライポテトに人の歯らしきものが入っていたなど、にわかには信じがたい内容も見られる。そのエリアも青森、京都、大阪と全国的だ。

 そのすべてが店側の過失によるものなのか、中には判然としないケースもあるが、外食産業に欠かせない「安全性」「清潔感」が冒されたとあって、インターネット上では「もうしばらく行かない」「マックで食べたくない」という否定的な反応が相次いでいる。さらに、「客離れが尋常ではない」と、誰もいない店内の写真がアップされるなど「ガラガラのマック」が強調されている。

 しかし、ここ数日見かけた都内の数店舗では、以前と変わらずお客さんが入っている様子だ。ただ、そのお客さんたちも少なからず「マックで異物混入」のニュースは目にしているはずである。そこで、「あえて今日マックに来た理由」を聞いてみることにした。

 最初に立ち寄った渋谷区の店舗では、平日の15時というのに各フロアとも3分の2ほど埋まっている。話に応じてくれた20代の女性は「週1回も来ない」というが、この日はしっかりてりやきチキンフィレオを完食している。昨今のニュースについては「私、気にしないほうなんです」「親も、文句を言いながら食べていました」と笑っていた。

 ちなみに、気がつくと店内はほぼ満席になっていた。場所柄、外国人のお客さんも多いが、見たところ老若男女まんべんなく座っており、異物混入などどこ吹く風という感じだ。

 新宿に場所を移すと、チキンクリスプを食べていた10代の男性、チーズバーガーとカーリーポテトフライを平らげた20代女性ともに「あまり気にしません」との答えだ。「食べる時に、いつもより注意深くなったりもしませんでしたか?」という質問もしてみたが、やはり「特に変わりません」と気に留めなかったようだ。

 続いて話を聞いた20代男性に至っては、こちらの問いかけで「そういえば、そんな事件がありましたね」と異物混入騒動を思い出したようで、ニュースを見ても「自分の身近な問題とは感じていなかった」から、その日はハンバーガーを食べたそうだ。友達などまわりの反応も聞いてみたところ、「特に気にしていない」とのことだが、「自分より年上の世代の人たちは『食が安全じゃないね』と言っていましたから、気にしているようです」と答えてくれた。

「気になるけど食べる」という人も

 実際、消費者はそこまで過剰に気にしていないものなのか。そもそも、気にしている人は店に足を運んでいないわけで、この結果は当たり前といえば当たり前だ。そんなことを考えていたら、次に声をかけた30代男性からは多少「気になりつつも、来てしまった」という感がうかがえた。

「ナゲットが好きだけど、今はさすがに……」と、この日は敬遠したようで、目の前にはハンバーガーの包み紙が丸められていた。そのハンバーガーについても「ちょっと見てしまいました」と語り、食べる際に軽くチェックしたようだ。それほど気になりながらも利用したのは「やはり安いし、長居できるから」というのが理由だ。話の最後には「飲み物なら大丈夫だと思います」とコーヒーを飲み干した。

 やっと手ごたえらしきものを胸に中野区の店舗に移り、男性2人組に聞いてみると、それぞれ違う反応が返ってきた。「気にしません」という20代の方は「会社の女性の中には気にしている人もいました。僕は、もし(異物が)あったら(カウンター)に持っていって対応してもらいます。それだけのことです」というドライなものだ。

「気にするし、今日も食べる時にチラッと見た」という30代の方は「しかし、ほかに食事する場所がなかったら行きます」と回答した。ちなみにこの日は、2人とも食べていたカーリーポテトフライを目当てに来たようで、異物混入の不安よりも新商品への好奇心のほうが勝ったようだ。

 参考までに、今回声をかけた7名は全員がなんらかのフードをオーダーしていた。当然ながら、どの店に行こうが、何を頼もうが、個人の自由である。マクドナルドに限らず異物混入等のニュースは見受けられるし、近年では食材偽装問題も騒がれたりしたため、消費者の間にも「またか」という感じで「食の不安」に慣れが生じているのかもしれない。

苦難続きのマクドナルド

 しかし、消費者が過剰反応しなくなったとはいえ、マクドナルドが安心できるわけではない。そもそも、異物混入騒動以前から、マクドナルドの苦境は伝えられていた。昨年は中国の食品加工会社が使用期限切れ鶏肉を使用していた問題によって、チキンマックナゲットなどの販売を一時休止している。12月にはアメリカからのポテト調達不足で、マックフライポテトが一時Sサイズのみの販売になったことも不評を招いた。さらに、ネット上では「ポテトやハンバーガーが何日たっても腐らない」とする実験動画がアップされて、その安全性に疑問の声が上がったこともあった。

 それらの打撃の影響か、マクドナルドは2014年12月期で上場以来初めての経常赤字に転落する見通しだ。昨年12月の既存店売上高は前年同月比21.2%減で、前年実績を下回るのは11カ月連続だ。今回の調査では必ずしも客足が激減しているわけではなかったが、おそらく1月も前年実績を下回るものと思われる。ある意味、まだ店舗にお客さんが出入りするからこそ、こういった調査もできたわけだが、それすらできなくなるほど閑散とする前に、マクドナルドには挽回の一手を打ってほしいものだ。
(文=編集部)

BusinessJournal編集部

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