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ワーク・ライフ・ハピネス 第1回

ワークライフバランスのまやかし 超幸せ企業!長時間労働でも社員イキイキ、週3日出勤…

文=鈴木領一/ビジネス・コーチ、ビジネス・プロデューサー

 ワーク・ライフ・ハピネスはワーク・ライフ・バランスを否定するものではない。仕事と私生活をバランスよく過ごしてハピネスを感じている人もいれば、仕事に多くの時間を割きながらハピネスを感じている人もいる。ワーク・ライフ・バランスは、ともすると仕事の時間を削ることが目的化してしまう恐れがあるが、ワーク・ライフ・ハピネスという概念ならば、そのどちらも包括することができて、多様な働き方を認めることができるようになる。近年重要性が叫ばれている、いわゆるダイバーシティ(多様性)の概念にも合致する。

 ワーク・ライフ・ハピネスは一見わかりやすい概念だが、その実現にはトップ=経営者の意識変革が必要だと、共著者の一人である榎本恵一氏は語る。そうでなければ、ただ労働時間が長いだけのブラック企業といわれかねない。社員が自らいきいきと働き、それでいてハピネスを感じてもらうには、その環境作りが必要なのだ。

●仕事の効率化が好循環を生み出す

 榎本氏は税理士であり税理士法人恒輝東京事務所(榎本会計事務所)を率いている経営者だ。そのほか、経営者のためのEラーニングサイト「ウィズダムスクール」の運営会社・ウィズダムスクールの代表も務めている(以下、グループ関連会社をまとめてECGと呼称する)。

 2月3日、東京・両国にある江戸東京博物館のホールで、大きなイベントが開かれた。コンサートではない。ECGの「平成27年度 経営方針発表会」だ。普通の会社なら社内だけで行う経営方針発表を、イベント会場を借り切ってお客にも公開したのだ。毎年、職員全員参加で、お客を前に経営方針をプレゼンしてきた。職員にとっては一年の中で最も楽しみなイベントだという。こんな会社、聞いたことがない。

 ECGは東京両国にある社員16名の組織である。以前のECGは、よくある中小企業の実態と同じように、職員が個々の仕事を抱えてお互いが何をしているか把握せずにバラバラに働いているという状況だった。「この環境を変えなければ社員の幸せはない」と考えた榎本氏は、より良い職場環境を整えるべく、新しい施策に取り組んでいく。

 個々に抱えていた仕事を共有化し、お互いの仕事をシェアし、助け合う仕組み作りを行った。例えば、朝礼時に情報共有の時間を設け、仕事を抱えている人が手の空いている人に仕事を任せられるように“仕組み化”したのだ。その結果、社員が自主的に業務の効率化を図るようになり、時間をよりよく生かせるようになった。また、仕事のローテーションや週3日出勤を認めることで、税理士資格を取る勉強を始める人や、大学院に通う人まで現れたという。いわば職員の自己啓発を、榎本氏は後押ししていったのだ。

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