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物流崩壊の危機?経済全体に大打撃も 深刻なドライバー不足、救世主に浮上の貨物列車

文=小川裕夫/フリーランスライター
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 新幹線が全国に広がっていけば、不要の烙印を押されて廃線になる在来線が出てくるだろう。特に危険視されているのが、北海道新幹線開業による北海道内の在来線だ。北海道新幹線が札幌駅まで開業すれば、並行在来線は軒並み赤字に転落すると試算されている。そうなれば在来線の廃止は免れない。在来線が廃線になれば、北海道からの食料品・日用品の物流はトラックに依存するしかない。しかし、そのトラック輸送が低迷し続ければ、北海道の物流は止まってしまうおそれがある。

 こうして危機に直面し、運送事業者や物流業者、メーカーは必死に物流対策を講じているが、それらも抜本的な解決には至っていない。ある業界関係者は言う。

「ドライバー不足や高齢化は物流業界全体の問題で、業界としてもモーダルシフトを進めようというムードにはなっています。しかし、原油やセメントといったBtoB(企業から企業)輸送と違い、食料品・日用品のBtoC(企業から個人客)輸送はどうしてもトラック輸送に頼らざるを得ません。鉄道貨物や海運に光が当たるのはいいことだと思いますが、モーダルシフトへの転換にも限界があります。ドライバー問題は業界全体が打開策を模索している状態です」

 いまや私たちの生活に欠かせないネット通販の市場規模は12兆円に迫り、20年までに20兆円を突破すると経済産業省は試算している。それらを下支えする物流業者の危機はアマゾンや楽天をはじめとするネット通販業者にも直接打撃を与え、購入者の手元に商品を届けるトラックが走らなければネット通販の成長も止まる。物流業界の崩壊は、決して物流業界だけの話ではない。日本経済も大きな損失を被り、私たちの生活も立ち行かなくなる可能性があるのだ。
(文=小川裕夫/フリーランスライター)

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