NEW
ワーク・ライフ・ハピネス 第3回

超ハピネス企業、なぜ突然ブラック企業に転落…仕事の効率向上施策が業績悪化を招く理由

【この記事のキーワード】

, ,

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

(1)社長が魅力あるビジョンを語り続ける

 社員は、「なぜこの社長のもとで働かなくてはならないのだろう」と思いながら働くものである。つまり理由が欲しいのだ。「生きるために働く」という時代はすでに過ぎ去り、“働き甲斐”を求めているのが現在の人たちだ。マズローの欲求5段階説を持ち出すまでもなく、成熟した社会では、お金だけでなく自己実現や社会貢献のために働くことに人々はモチベーションを感じるものである。

 人間本来持っている欲求を満たしてあげることは、企業トップの重要な役割である。社長が示すビジョン・夢・理念が魅力的であればあるほど、働き甲斐のある会社風土が醸成されていく。

(2)社長自らビジョンを実現させてみせる

 ソフトバンクの孫正義社長は昔から「大ぼら吹き」と言われている。言葉を換えれば「大きな夢を語ってきた人」といえる。しかし「大ぼら吹き」はどこにでもいる。孫社長が、その他大勢の「大ぼら吹き」と違うのは、それを実現してみせたからである。

 夢を語りながら、それを社員に押しつけようとするのは虫のいい話である。そんな態度の社長は社員にすぐに見抜かれてしまう。社長自ら動き、夢を形にさせて初めて、社員は社長の言葉を信じるようになる。夢を語るだけで社員がついてくるはずがない。

 社長の語るビジョンが現実になることがわかれば、社員はその会社で働くことが夢の実現につながると必然的に感じるようになる。余計なモチベーションアップの仕組みを導入するより、はるかに効果的である。社長は常に背中から見られていると心得るべきである。

(3)社員の自主性を重んじ、自由度を広げる

 人は管理されればされるほど、能力を発揮できなくなる。以前、タイムマネジメントの手法として全国の企業で導入された画期的システムがあった。社員の生産性を最大限に上げるために、分単位で行動を管理し、より生産性が上がる仕事に時間を配分させる仕組みだった。中小企業から大企業まで導入されたが、真剣に導入した企業ほど業績が悪化していった。論理的には生産性が上がるはずだったが、現実には真逆の結果が出たのだ。

 その理由は、あまりにも当たり前のことだった。人間はロボットではない、ということだ。ロボットならプログラムされた仕事を、いつでも均一に実行することができるだろう。しかし人間はそうではない。調子の良いときもあれば悪いときもある。いわゆるバイオリズムがあるのが人間だ。時間管理を厳格に行い、無駄のない仕事配分を行ったとして、そのプログラム通りに実行できないのが人間なのである。逆に厳格に管理されることでストレスを発生させ、生産性も低下してしまう。行きすぎれば病気にもなる。