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ローソン、打倒セブンの差別化戦略破綻か 新業態が使い勝手悪さで軒並み失敗

文=福井晋/フリーライター

●利用者の高齢化が進むコンビニ

 13年度のコンビニ業界売上高は9兆8189億円。前年度比4.6%増と市場拡大が続いている。売上高の業界平均構成比率はハム、ソーセージ、総菜などの日配品が約35%、加工食品が約27%と食品が62%を占めている。ローソンの場合は食品売上高が90.3%(第3四半期時点)に達しており、それは食品スーパー並みだ。同年度末の全国のコンビニ店舗数は前年比5.8%増の5万3008店。14年度の新規出店も過去最高を更新する見通しで、市場全体で10兆円突破は時間の問題だ。

 郵便局やガソリンスタンドは各2万店程度なので、店舗数から見てもコンビニは今や日本最大のインフラといえる。コンビニがここまで成長した背景には、人口構造の変化がある。コンビニはかつて、若い独身男性が中心に利用する店だったが、人口の高齢化に伴い高齢者層の利用が増大している。

 例えばセブン-イレブン(以下、セブン)の場合、1994年は29歳未満の利用者が全体の59%を占め、50歳以上はわずか11%だった。ところが11年には29歳未満の比率が32%に低下した一方、50歳以上は28%まで上昇している。13年の日本の人口構成を見ると29歳未満が28%と、セブンの利用者層と近い。ローソンの場合も04年は50歳以上が20%だったが、11年は35%に増加している。ファミリーマートの場合も13年末現在、50歳以上が30%に達している。このように、コンビニの利用者も明らかに高齢化が進んでおり、「コンビニは社会インフラとして、高齢化社会にいかに貢献するのか」が問われているといえる。

●セブンに勝てない原因をつくったダイエー時代の分散出店

 こうした問いに、セブンがコンビニ業界のリーダーとして応えようとしている一方、ローソンは新業態開発のリーダーとして応えようとしているといえる。だが、今のところローソンのそれは空振りが目立つ。その理由について流通業界関係者の一人は「その遠因はダイエーがローソンを運営していた時代の負の遺産にある」と指摘し、次のように説明する。

 セブンからわずか1年遅れの75年にローソンでコンビニ事業へ参入したダイエーは、セブンと対照的なナショナルチェーン出店でコンビニ業界の覇者を目指し、80年代から90年代前半にかけ地域コンビニを次々と買収した。97年7月の沖縄県出店でコンビニ業界初の47都道府県出店を達成、ナショナルチェーンの体裁を整えた。00年3月末現在、セブンの空白県は20県も残っており、セブンの店舗数8153店に対してローソンは7378店と、その差は775店に迫っていた。セブンの背中が間近に見えていたようだが、収益力には大きな開きがあった。

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