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なぜ大企業は、学生をダマして入社させる?「本当の職場」を隠し、離職率を高める愚かさ

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「Thinkstock」より
 今回は、インターンシップの功罪についてまとめてみたいと思います。

 インターンシップには、大きく分けて2種類あります。ひとつは、学生を実際に職場に入れて、実際の業務の一端に参加させるタイプ。そしてもうひとつは、会議室や研修施設で、学生だけを集めて行うワークショップタイプです。前者は数週間、後者は1日~数日というものがメインです。

 両者の最大の違いは「実際の職場に放り込むかどうか」という点です。一般的に日本企業では後者のワークショップ型が人気で、特に大企業ほどそういう傾向が強いように思います。ちなみに筆者は後者のタイプを「お客様インターン」と呼んでいます。お客様を自宅に呼んだ場合、普通は客間か居間でお茶を出し、寝室や台所には案内しません。それと同じようなものです。

 なぜ日本企業はお客様インターンが好きなのかというと、単純に職場を見せたくないからです。どんなに優良企業であっても、職場には外部の人間には見せたくない面があります。ITを売りにしている会社のはずなのに、紙ファイルが散乱しているオフィス。効率化をうたっているのに、残業続きで生気のない目をした社員の群れ。そしてどこの職場にも、仕事もポストもなく茫然としているバブル期入社の中年社員が数人はいるものです。そういうリアルな実態を見せてしまうと、夢と希望に満ちた学生に「自分はこの会社に人生を預けることが、果たして正解だろうか」というメタな疑念を抱かせるきっかけとなってしまいます。

「しかし、いずれ入社すればバレてしまうことではないか」という疑問を持つ人もいるでしょう。まったくそのとおりです。逆に言うと、そうした企業は「新卒採用の時は適当にごまかしてでも入社させてしまえば、そのあとは逃げられないだろう」という昭和の発想が根っこにあるのです。

 ただし、現在は良くも悪くも20~30代は流動化しており、第二新卒市場という新卒リターンマッチ専用の転職市場まであります。入り口を美化してごまかせばごまかすほど、逆に離職率は高まる素地が生まれてしまうわけです。

 一方、外資系企業や新興企業には、実際の職場を体験させるケースが多いように感じます。これは彼らがもともと終身雇用のDNAを持っておらず、入り口でダマしてもどうせすぐに辞められるという事実を理解しているためでしょう。

 特に外資系の金融機関は、意図的にきつめの現場体験をさせるケースが多いようです。これは、あえて一番きつい現場を体験させることで、応募者のスクリーニング(ふるい分け)をするのが狙いと思われます。