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山田修「展望!ビジネス戦略」

社外取締役義務化への的外れな批判「事情も知らない外部の人間が貢献できるのか」

文=山田修/経営コンサルタント、MBA経営代表取締役
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 筆者が実際に受けている非上場企業での社外取締役(非常勤監査役として役員会に出席)では、率直な感想を述べたり、理解できないことは聞くようにしている。社内役員たちには十年一日のような成り行きでも、筆者のような外部の眼で見ると不合理だったり、ほかに有効な選択肢が見えたりするのだ。そして、そんな異見や見方を示すのが社外役員の役割だと思っている。ちなみにこの企業は、筆者が社外取締役に就任するまで4年間営業赤字だったが、筆者が着任した年に黒字転換して、その後も好業績となった。

 社外取締役と関連して注目されるのが、京王電鉄のケースだ。東証のガバナンスルール発表を受けるタイミングで同社は2月26日、「ガバナンス委員会」を設けた。社外取締役2名と代表取締役を含む社内取締役4名の計6名で構成される。この6名はまた取締役会のメンバーである。

 取締役会が社外取締役を含め18名もいることから、このガバナンス委員会は京王電鉄の経営意思決定に寄与するはずだ。18名も「並び大名」がいるところで、外様の社外非常勤取締役が多くの案件で意見を開陳し、深い議論をすることは実質的でない。京王電鉄のトップ経営陣が外部取締役の意見を積極的に取り込もうとする姿勢は評価されていい。
(文=山田修/経営コンサルタント、MBA経営代表取締役)

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山田修/経営コンサルタント、MBA経営代表取締役

山田修/経営コンサルタント、MBA経営代表取締役

経営コンサルタント、MBA経営代表取締役。20年以上にわたり外資4社及び日系2社で社長を歴任。業態・規模にかかわらず、不調業績をすべて回復させ「企業再生経営者」と評される。実践的な経営戦略の立案指導が専門。「戦略カードとシナリオ・ライティング」で各自が戦略を創る「経営者ブートキャンプ第12期」が10月より開講。1949年生まれ。学習院大学修士。米国サンダーバードMBA、元同校准教授・日本同窓会長。法政大学博士課程(経営学)。国際経営戦略研究学会員。著書に 『本当に使える戦略の立て方 5つのステップ』、『本当に使える経営戦略・使えない経営戦略』(共にぱる出版)、『あなたの会社は部長がつぶす!』(フォレスト出版)、『MBA社長の実践 社会人勉強心得帖』(プレジデント社)、『MBA社長の「ロジカル・マネジメント」-私の方法』(講談社)ほか多数。
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山田修の戦略ブログ

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