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健康食品業界、「第三の制度」で淘汰加速?機能性表示食品制度の衝撃、大きなメリデメ

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「バスに乗り遅れると取り返しがつかない」


 一方、想定されるデメリットは、新制度の枠内でも一部の悪徳業者が跋扈することだ。効果がないものを効果があるように表示したり、過大広告を出したりしている業者も多い。悪徳業者が嘘の表示をしたり、安全性に疑問の残るものまで効果を謳って販売推進したりした場合、被害を受けるのは消費者であり、場合によっては生命の問題にもかかわる。

 こうした事態を想定して、消費者庁は商品取締りの担当者を増やすほか、健康への効果について否定的な研究論文があれば、それも探すように事業者に求めた。さらに、消費者庁は、今回新たに始まる「機能性表示食品制度」以外の健康食品を厳しく取り締まる方針だ。それを受けて、特にサプリメントの業界では、新制度以外の製品は「科学的根拠がない」「安全性が疑問」として淘汰される可能性も高いと見られている。「市場環境を激変させるパラダイムシフトであり、まさに市場革命だ。バスに乗り遅れると取り返しがつかない」と、ある大手事業者は話す。

消費者庁がガイドライン公表


 消費者庁は3月2日、制度の細則を定めるガイドラインを公表した。新制度は、科学的根拠や安全性などの面でハードルが非常に高く、研究開発と品質管理の両方で投資をして人材育成に取り組まないと、市場の変化についていけなくなる可能性も高い。制度の内容を熟知して活用しないと、スタート早々にトラブルが起こる可能性もある。

 このため、大手事業者が集まる日本通信販売協会(JADMA)でも危機感を募らせており、3月24日にはJADMA主催でTOC有明コンベンションホールにて、消費者庁担当者を招聘してのガイドラインの徹底解説や業界大手の準備状況などを紹介するイベント「機能性表示食品制度前夜祭」が開催される。

 健康食品に関わる健康被害への対応について、サプリメントと医薬品の飲み合わせなどについて講演があるほか、20年近く前に規制緩和して健康食品市場が拡大した米国での問題点とその克服についても、専門家が事例を紹介しながら説明する。さらに新制度に対応して新たに導入する自主規制なども発表する予定だ。JADMAでは、会員以外にも広く参加も受け付け、新制度の理解を進めて業界全体の底上げを図る考えだ。
(文=井上久男/ジャーナリスト)

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