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セブン&アイ対イオン、仁義なき地方スーパー争奪戦勃発 互いの牙城を容赦なく侵食

文=編集部

 なぜ、イオンセブン&アイHDは食品スーパーに力を入れるのか。それはひとえに、GMSは不振だが食品スーパーは好調だからだ。日本スーパーマーケット協会など食品スーパー業界3団体がまとめた14年の全国の食品スーパー売上高(既存店ベース)は、前年比0.9%増の9兆3855億円。消費増税にもかかわらず、8カ月連続してプラス成長を続けた。

 大手のGMSはプライベートブランド(PB)重視の商品戦略をとるのに対して、地場食品スーパーは地産地消の地域密着型商品をウリにしてきた。この違いが既存店の伸びの差となって表れている。

●高値を更新する地方の食品スーパーが続出

 食品スーパーの革命児といわれる企業がある。東証1部に上場している食品ディスカウントストア大黒天物産だ。24時間営業の「ラ・ムー」「ディオ」などを展開。「安心か」「激安か」の二者択一を迫る陳列の仕方で知られる。出店地域一の激安がキャッチフレーズだ。岡山、兵庫、広島、大阪、鳥取、愛媛などで97店舗を展開している(14年11月現在)。

 加工食品の内製化など低価格を武器に増収増益の快進撃を続ける。消費増税後も売り上げを伸ばし、15年5月期の売上高は前期比3.4%増の1290億円、営業利益は3.9%増の52億円の見込み。地方創生ブームに乗り、株価は続伸。4月3日には上場来最高値の5090円を付けた。今や大黒天物産は、「地方創生の代表的銘柄」といわれるようになった。

 沖縄の流通最大手サンエーの株価が3月19日に4740円をつけ昨年来高値を更新した。06年の高値、5700円に迫る勢いを見せている。食品スーパー42店舗、総合スーパー22店舗、外食店14店舗を展開。夏には旗艦店、那覇メインプレスを増床し、今春開業のイオン系大型商業施設を迎え討つ。

 滋賀県で圧倒的なシェアを持つスーパー平和堂は、4月3日に2915円の年初来高値となった。81年以降の高値は90年の2750円だったが、これを上回った。16年2月期は精肉・鮮魚など生鮮品や総菜の強化が効き、食品部門が好調。連続最高益となる。これまで手薄だった北陸にも出店する。

 北海道、青森、岩手でトップシェアを誇るアークスはM&A(合併・買収)を積極的に進めている。株価は3月27日に2953円の高値を記録した。埼玉県を中心に展開する食品スーパーのヤオコーは株式分割前の3月18日に9980円の高値をつけた。食品スーパーとして異例の株価1万円が目前となった。株式を分割後の高値は4月3日の4720円。中部地区を中心に281店舗を持つ食品スーパーのバローは、3月24日に2715円の年初来高値をつけた。5銘柄とも3月に入って高値を更新中である。

 大手流通の地方スーパー囲い込みの動きが、株価を刺激していることは間違いない。
(文=編集部)

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