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食品流通業界に異常事態?総合商社から異業種も入り乱れ下克上勃発

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国分本社ビル(「Wikipedia」より/Oz.born inc)
 昨年12月6日、食品流通関係者の間では、前日に丸紅国分が共同発表した両社の包括提携に関する話題で1日中盛り上がっていた。

 食品卸独立系最大手の国分が、特定の総合商社と本格的に協業するのは初めて。しかもその相手が「食品流通の外野」(食品流通関係者)と呼ばれる丸紅だったからだ。関心はおのずと「丸紅は、どうやって国分を口説き落としたのか」に集まった。

 両社の包括提携の骨子は、今年6月をめどに

(1)丸紅は国分が新たに設立する予定の首都圏国分(仮称)に出資する

(2)国分は丸紅子会社の菓子卸、山星屋と同冷凍食品卸、ナックスナカムラに出資する。ナックスナカムラと国分子会社のチルド食品・冷菓卸、国分フードクリエイト東京は業務提携する

(3)丸紅と国分は惣菜事業で業務提携すると共に、物流効率化・機能強化に向けて相互に協力する

というものだ。

 国分は輸送費高騰、PB(自主企画)商品市場拡大、食品市場縮小の三重苦に喘ぎ、2013年度まで4期連続の経常減益を余儀なくされていた。一方、丸紅は13年3月、保有していたダイエー株約29%のうち約24%をイオンに売却、もともと手薄だった国内食品流通事業が先細り化していた。

 こうした互いの危機感が、包括提携に向かわせたとみられている。

食品卸売業界で進む「2強多弱」化とは?

 丸紅と国分が手を組んだ背景には、食品卸大手間の激しい生き残り競争がある。食品卸売業界では11年から13年にかけて、業界再編が一気に進んだ。11年7月には三菱商事が傘下の食品卸子会社4社を経営統合して三菱食品を設立。同年10月には伊藤忠商事が子会社の日本アクセスを軸に傘下の食品卸売事業会社を統合。同社は自社食品卸売部門を日本アクセスと伊藤忠食品の二頭立てに再編した。

 そして、13年1月には旭食品(高知県)を中核にカナカン(石川県)、丸大堀内(青森県)の地域卸3社が広域連合を組むかたちで経営を統合。共同持ち株会社トモシアホールディングス(東京都)を設立している。

 この一連の業界再編によって三菱食品は業界トップに躍り出て、日本アクセスが同2位に浮上した。その結果、業界で「不動のトップ」といわれた国分は業界3位に転落した(いずれも13年度売上高ランキング)。

 さらに「昨年は上位2社と国分の差が拡大傾向を見せている。このままではコンビニエンスストア業界同様、食品卸売業界も『2強多弱』になる可能性がある」と食品流通関係者は指摘する。