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【鉄道安全レポート】人身事故概況(1月)

東急線は東上線と同程度の人身事故多発路線 ホームドア設置で年間4件にまで激減する?

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中目黒駅(東京都目黒区)のホームの様子。同駅には東急東横線と東京メトロ日比谷線が乗り入れるが、東横線側(写真左)にのみホームドアが設置されている

 東京急行電鉄(以下、東急)は今年1月9日、2020年を目標として東横線、田園都市線、大井町線の全64駅にホームドアを設置すると発表した。ホームの安全性を高めることで、「輸送障害の約8割を占める列車との接触事故を防止」(同社のリリース)し、安定した鉄道ネットワークを目指すとしている。

 現在、この3路線でホームドアが設置されているのは、東横線の渋谷駅、中目黒駅、学芸大学駅、大井町線の大井町駅の4駅のみ。残りの60駅にも設置されることによって、東急線ユーザーは、人身事故が8割近く減少した安定輸送を享受できるようになるかもしれない(他社線との直通関係を除く)。というのも、この3路線では、人身事故の85%が駅で発生しているため、ホームドアによって効果的な事故防止が可能だからだ。

 鉄道の運行情報などを配信しているレスキューナウによると、ホームドア設置対象の3路線では、人身事故が08~14年の7年間で188件あり、駅での発生が160件(85%)、踏切などの駅間が28件(15%)だった。路線別では、東横線73件(うち駅間16件)、田園都市線94件(同4件)、大井町線21件(同8件)。事故発生から運転再開までに要した時間は平均約72分というから、およそ14日に一度のペースで、人身事故を原因とした1時間以上の運転見合わせが生じていたことになる。

 従って、ホームドアが設置されて駅で人身事故がほぼなくなれば、駅間での事故が過去と同ペースだったとしても、3路線合わせた事故発生ペースは約7分の1(約95日に一度)となり、年間の人身事故は約4件となる。

 ちなみに、近年、東日本旅客鉄道(JR東日本)中央線や京浜東北線などと並ぶ“人身事故最多路線”として有名になっている東武東上線は、東京都心の池袋駅(豊島区)と埼玉県の寄居駅(寄居町)を全長75kmで結ぶ関東の主要私鉄路線の1つだが、レスキューナウによれば、東武東上線の人身事故は14年だけで34件(速報値)に達し、約11日に1件発生している計算になる。運転見合わせ時間は平均78分。