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大阪で歴史的惨敗の三越伊勢丹、逆襲なるか?捨て身戦略で撃退した阪急阪神内の優劣鮮明

文=編集部
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阪神梅田本店は大打撃

 椙岡氏がJR大阪三越伊勢丹を迎え撃つために打った手は、阪急うめだ本店の建て替えだった。600億円をかけて建て替え、12年11月全面開業した。売り場面積9万7000平方メートル。その後開業した、あべのハルカス近鉄本店(10万平方メートル)には及ばないが、三越伊勢丹(3万平方メートル)の3倍以上の売り場面積を誇る。日経MJの13年度百貨店調査によると、阪急うめだ本店は改装効果で32.8%増と店舗別の売上高伸び率でトップとなった。JR大阪三越伊勢丹は0.4%増と横ばいだった。

 一方、三越伊勢丹の進出で大打撃を受けたのは阪神梅田本店。7.6%減と大きく落ち込んだ。そのため、H2Oは阪神梅田本店の建て替えを本格化させる。営業を続けながら工事を進め、21年秋の全面開業を目指す。売り場面積は、現在と同程度の5万4000平方メートルを予定。

 H2Oは阪神梅田本店の全面開業後に、大阪地区の百貨店の売り上げシェアを現在の36%から50%に高めるという強気の計画を立てている。

 阪急うめだ本店が好調なのは、多彩な催しを楽しみながら買い物をしてもらう「劇場型百貨店」を掲げ、集客につなげたことによる。客の滞在時間は3倍に延び、客層は奈良や滋賀へ広がった。「質の高いもの、時代を先取りするものを買うのは阪急うめだ本店」というステータスを確立しつつある。

 これに対して、もう1つの柱である阪神梅田本店は、いか焼き、お好み焼き、きしめん、たこ焼きなどの庶民の味を立ち食いできる点が関西人に受けていた。また、シニア向けやLサイズ商品を展開するなど阪神にしかない売り場も強みだった。

 阪神梅田本店の全面開業後、阪急うめだ本店とのすみ分けをどう図るかが大きな経営課題となる。若者層の価値観に合うライフスタイルを提案できないか検討中だという。
(文=編集部)

BusinessJournal編集部

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