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税金投入の大手銀行で唯一返済できない新生 巨額赤字でめどすら立たず、社長は引責辞任か

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新生銀行本店(「Wikipedia」より/Ysktkhs)
 大手銀行の公的資金完済が相次ぐ予定だ。りそなホールディングス(HD)、あおぞら銀行は6月に一括返済するが、新生銀行は返済のメドが立っておらず、大手では唯一、公的資金が注入されたままになる。

 金融機関が抱える巨額の不良債権は、長期の景気低迷を意味する「失われた25年」の象徴でもあった。1990年代前半のバブル崩壊で、融資する際の担保になっていた土地の価格が大幅に下がり、金融機関の不良債権は増大した。

 90年代後半に日本長期信用銀行(現・新生銀行)と日本債券信用銀行(現・あおぞら銀行)が経営破綻に追い込まれ、いずれも一時国有化された後、売却された。りそなHDは、傘下のりそな銀行が2003年、当時の竹中平蔵金融担当大臣が主導した「金融再生プログラム」によって、健全経営に必要な自己資本が不足し、実質的に国有化された。その後、りそなHDも実質国有化されている。

 不良債権を処理するために公的資金を受け入れた大手行のうち、三菱UFJフィナンシャル・グループ、みずほフィナンシャルグループ、三井住友フィナンシャルグループの3メガバンクは、06年に返済を終えた。一方、りそなHD、あおぞら、新生の3行はデフレ経済下で貸し出しに伴う収益が伸び悩み、公的資金の返済が進まなかった。

りそなHD、あおぞらは前倒し返済へ


 公的資金の前倒し返済の口火を切ったのが、りそなHDだ。段階的に公的資金を返済してきたりそなHDは2月27日、従来の返済計画を3年前倒しし、残る1280億円を6月の株主総会後に完済すると発表した。

 りそなHDに注入された公的資金は国内金融機関で最大の3兆円以上だが、景気回復によって収益が伸び、完済する運びとなった。実質的な国有化から12年で、ようやく独り立ちにこぎ着けたわけだ。

 あおぞらは3月27日に公的資金1639億円を前倒し返済する方針を発表、前述の通り6月に一括返済する。当初は22年までに分割で返済する計画だったが、財務の健全性の確保と、現在の株価水準が続くことを前提に、完済の条件が整ったと判断したようだ。

 同行の公的資金は、預金保険機構や整理回収機構が保有する株式を売却するかたちで回収される。同行株の3月27日の終値は437円で、一括返済が可能になる基準価格は353円だ。優先株の価値が公的資金の返済残高を上回っていることから、早期の一括返済のメドが立った。

 あおぞらは、日本債券信用銀行の時代に公的資金3200億円を受け入れた。金利の上乗せ分を含めた返済総額は3550億円で、350億円が国の利益となる。