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JR九州、多角化で成功美談の“まやかし” 税金免除と国の“補助金”で甚大な民業圧迫

文=編集部
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JR九州、多角化で成功美談の“まやかし” 税金免除と国の“補助金”で甚大な民業圧迫の画像1JR九州の寝台列車「ななつ星in九州」(「Wikipedia」より/Rsa)
 九州旅客鉄道(JR九州)が2016年秋にも上場する。超豪華寝台列車「ななつ星in九州」で知名度は全国区になったが、本業の鉄道事業は赤字を強いられている。収益を支えるのは駅ビル、マンション、ホテル、ドラッグストア、パン製造、コンビニエンスストア、ファストフード、農業などの非鉄道事業。本業が赤字だが多角化の成功で上場する例は珍しい。

 JR九州は、2015年度の事業計画を国土交通相に認可申請した。売上高に当たる営業収益は、単体で前年度計画比2.9%増の2036億円、税引き後利益は33.3%増の100億円と、いずれも過去最高を更新する見通しだ。鉄道の営業赤字は15億円改善するものの、130億円の赤字を計上する。駅ビルなどのその他の収入は5.9%増の589億円を見込む。国鉄分割・民営化の際に国から受けた経営安定基金の運用収益は、6.1%増の105億円を予定。これで増益を達成する。

 これに先立ち、15年3月期の連結決算業績予想を上方修正した。連結売上高は昨年5月の予想より7億円多い3599億円、純利益は10億円多い116億円を見込む。売上高、純利益ともに、1987年のJR九州発足以来、最高となる。駅ビルの賃貸収入や分譲マンションの販売が好調だった。

 JR九州は4月16日、大分駅ビルに複合大型商業施設「JRおおいたシティ」を開業した。店舗面積は10万7000平方メートルと大分県で最大。核テナントの東急ハンズをはじめ、ユニクロやH&M、無印良品、ABCマートなどが出店する。若い男女を主なターゲットにして、初年度の売上目標は200億円としている。

 JR九州の駅ビル群は、流通地図を塗り替えた。九州新幹線の開通とともに開業した新しい駅ビルが、抜群の集客力を発揮したからだ。

 鹿児島中央駅ビルの商業施設「アミュプラザ鹿児島」の年商は250億円。当初の計画200億円を上回る。鹿児島市の繁華街、天文館と並ぶ商業の中心地に成長した。博多駅ビルの「JR博多シティ」は11年3月の開業以来、消費不況知らずの快走を続けている。核テナントの博多阪急は、月商が一度も前年同月比割れになったことがなく、15年3月期の売上高は前期比1.3%増の410億円となった。消費増税の影響で低迷が続く福岡市の繁華街、天神地区の百貨店と明暗を分けた。この勢いで、今度は熊本駅ビルに複合商業施設「アミュプラザ熊本」を建設する。新駅に合わせて21年春の完成を目指す。大分駅の商業施設とほぼ同じ規模だ。

 JR九州は、流通の主役の座を福岡、鹿児島、大分、熊本の老舗百貨店から奪うことになる。

営業利益のほぼ全額は、駅ビル・不動産事業

 JR九州は分譲マンションでも九州でトップクラスだ。「MJR」ブランドのマンションを展開、福岡地区を中心に九州で78棟、5065戸の販売実績を持つ。

BusinessJournal編集部

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