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大崎孝徳「なにが正しいのやら?」

そもそもサントリーに品薄商法をする理由はない 大ブームはメーカーにデメリットばかり?

文=大崎孝徳/名城大学経営学部教授

 一方、品薄商法が有効に機能する業界もあるかもしれません。例えば、自動車食品などと比べれば商品数も少なく、莫大な投資のもとに開発されて市場に投入されています。よって、自動車メーカーにとって1つの商品の成否が経営に与える影響は大きいといえます。また、購入者側からみても、販売店に行きそのまま自動車を買って帰ることはできませんし、納車まで通常1カ月待ちのものが2カ月となっても、それほど大きな問題にはならないでしょう。よって、販売計画を少なめに設定し、その何倍もの注文を受けて好調という評判を得るというメリットの大きさに対して、デメリットは小さいように思えます。

 しかしながら、食料品であればいつもの店舗に出向き、品切れの時点で消費者は嫌悪感を抱き、別の店舗にもなく、さらに1カ月先にしか入手できないとなれば、消費者は大騒ぎとなります。企業にとっては、利益率を悪化させるばかりではなく、評判も大きく落としてしまいます。

 売れないのはもちろん問題ですが、売れすぎても困る――。商売というのは本当に難しいものです。
(文=大崎孝徳/名城大学経営学部教授)

大﨑孝徳/香川大学大学院地域マネジメント研究科(ビジネススクール)教授

大﨑孝徳/香川大学大学院地域マネジメント研究科(ビジネススクール)教授

香川大学大学院地域マネジメント研究科(ビジネススクール)教授。1968年、大阪市生まれ。民間企業等勤務後、長崎総合科学大学・助教授、名城大学・教授、神奈川大学・教授、ワシントン大学・客員研究員、デラサール大学・特任教授などを経て現職。九州大学大学院経済学府博士後期課程修了、博士(経済学)。著書に、『プレミアムの法則』『「高く売る」戦略』(以上、同文舘出版)、『ITマーケティング戦略』『日本の携帯電話端末と国際市場』(以上、創成社)、『「高く売る」ためのマーケティングの教科書』『すごい差別化戦略』(以上、日本実業出版社)などがある。

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