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大・社外取締役時代到来で一大ビジネス?3千人・3百億円市場創出、早くも争奪戦

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東京証券取引所(「Wikipedia」より/Fg2)
社外取締役」が人材ビジネス化し、活況を呈している――。

 金融庁(細溝清史長官)と東京証券取引所(清田瞭社長)がまとめた上場企業の行動指針(コーポレートガバナンス・コード)は、東証1部と2部の企業に、独立性の高い社外取締役を2人以上置くように求めた。東証は上場規則を改正し、6月から適用する。

 東証1部と2部の上場企業のうち、独立社外取締役がゼロの会社は約1000社ある。1人の企業は940社。今後の新規上場を考えると、少なくとも3000人の社外取締役が必要になる。総報酬は年間で平均1000万円とすると、300億円の新しい人材市場となる。官僚OBや学者、証券アナリストなどが候補に挙がるとされ、公認会計士や弁護士の中には自ら「就活」を始めた人もいる。日本公認会計士協会(森公高会長)は社外取締役候補を企業へ紹介する制度を始め、早くも350~360人が登録したという。

 公的機関の審議会委員になった経験があるかどうかで、報酬が大きく変わる。大阪弁護士会(石田法子会長)も日本公認会計士協会と同じようなデータバンクづくりを開始。内閣府の「はばたく女性人材バンク」も動きだし、過去に審議会委員を務めた延べ2800人の女性に情報登録の意向を聞いている。

 社外取締役の人探しは容易ではない。特に焦りを見せるのは地方の企業で、社外取締役になり手がないことを見越して、監査役だった弁護士を急遽、社外取締役に横滑りさせた企業もある。欧米企業の社外取締役の多くは、他企業の経営者でもある。日本も早晩、欧米型になっていくのは間違いない。

「現在一番ニーズがあるのは、元社長や会長、相談役、顧問。さまざまな局面で背水の陣で決断を求められる企業トップを実際に経験した人を招きたい。官僚は天下りと批判されるので選びにくい。使えるのは、税務署か厚生労働省の出身者ぐらいではないか」(大手企業人事担当役員)

広がるビジネスチャンス


 ビジネスチャンスも広がる。リクルートキャリアは3月から顧問紹介サービス事業を始めた。社外取締役・監査役の紹介を行う。意識の高い経営者のために一肌脱ぎたいという元経営者の登録を呼びかけている。

 欧米型にシフトする動きも強まる。三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)は6月に委員会設置会社に移行して、社外取締役の権限を強化する。社外取締役が過半を占める指名、報酬、監査の三委員会を置き、取締役の選任や解任案などを決める。

 三菱UFJ FGはこれまで社外取締役の人数を増やし、取締役会の下に任意の指名・報酬委員会やリスク委員会を設けてきた。ここ2年で社外取締役を2人から5人に増やし、15人の取締役の3分の1が社外取締役になった。社外取締役の比率は3分の1以上にすると明文化し、リスク委員会は今後も継続する。