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がん、かかると治療費1千万?発見時の進行度や治療法で大きな差 高額化の恐れも

文=日下部貴士/A4studio
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「加えて、治療にかかるお金は病期(進行度)によって大きく変わるといわれています。例えば、早期がんの場合、最初に手術で切除します。その後に再発防止の治療として抗がん剤や放射線治療をしたり、乳がんであればホルモン治療をしたりします。ですから一番お金がかかるのは1年目で、その後年数が経過するにつれて金額が減っていきます。ただ、進行がんの場合、手術では取れないため抗がん剤治療をするとなると、仮にABCDという4種の抗がん剤があったとして、Aが効かなかったらB、Bが効かなかったらCと抗がん剤を変えていきます。効果の高い抗がん剤は薬価も高いので、使えば使うほど、治療期間が長ければ長いほど治療費は増加してしまいます。よって、どの病期で発見されるかというのは非常に大きいといえます」(同)

 効果の高い抗がん剤が出て治癒率や生存率が上がることは好ましい半面、その分医療費が高額になる恐れもあるのだ。

負担を軽減させるには

 そして、たとえ標準治療だとしても、がんになれば100万円程度の負担を抱えてしまうことになる。公的医療保険の高額療養費制度などが利用できるにしても、治療が長引いたり補完代替医療を利用したりした場合、その負担はますます増えていく。

 では、今後がんの医療費が下がることはないのだろうか。

「新たな抗がん剤が開発されることで、治療の選択肢は増えるでしょう。ですが、その選択肢をいくつも使用してしまうと、当然治療費も増えていきます。ほとんどの医師は患者のがんが治ることを第一に考えるので、患者がどの程度の経済的負担まで耐えられるかまではわかりません。そのため、不安な点があれば治療を受ける前に治療方法や費用をきちんと相談することが重要です。加えて、今は抗がん剤治療も外来で受けられますし、吐き気などの副作用を抑える薬も開発されているため、仕事を続けながら、つまり収入を得ながら治療を行えるようにもなっています。がんは治療の期間が長いということ、お金も多くかかる可能性があることを考慮し、がんにかかったからといって安易に会社を辞めてしまうのではなく、仕事を続けながらの治療を目指すべきだと私は考えます」(同)

 今やがんは決して治らない病気ではなく、今日の医療の発展によって治癒率や生存率は飛躍的に伸びている。しかし治療を受けるためには当然それ相応の経済的負担を負う必要がある。

 だが、黒田氏が言うように働きながら治療を行ったり、がん保険や医療保険を活用したりすることでその負担を軽減させることは充分に可能なようだ。
(文=日下部貴士/A4studio)

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